表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
敵討ちをした少女の話  作者: 透明
1/5

1

とある牢獄の一室。そこに彼女はいた。

鉄格子から覗く外の景色をぼうっと眺める。

こんな場所簡単に出られる。だが、彼女はここから出ない。彼女は自らの意思でここから出ないのだ。


「こんな世界、滅んでしまえばいいんだ」

外を眺める彼女の瞳には希望の色は無かった。






「終わってしまえ」

私はぽつりと呟いた。この部屋(どくぼう)にいれられて何日たっただろう。

私は幸せだった。優しい両親がいて、小さい頃はよくお母さんに絵本を読んでもらった。同じ絵本だったけど私はその絵本が大好きだった。

それは未来が見える巫女の話。とある巫女見習いの女の子がある時未来の夢を見た。それはこの国が滅びる未来。とある国に滅ぼされる未来。不吉な夢を見た女の子はすぐにそれを巫女に伝えに行った。夢の内容を話すと巫女は驚いて王に伝えに行った。王はその話を聞いて笑い飛ばせなかった。その国にはこの前、宣戦布告をされたからだ。王はすぐに女の子を呼び寄せた。その時の状況をしっかりと聞き出し、対策を立てた。そして国を守りきったのだ。女の子は巫女見習いから巫女となり、国のためにその力を使った。何十年とかかったが、この国を勝利へと導いた。そして巫女はこの国の王子と結婚し、幸せに暮らしたのでした。めでたしめでたし………こんな話だった。

私はこの絵本を読んでと何度もせがんでは、お母さんを困らせてた。

楽しかった。毎日毎日こんな日が続くんだと思ってた。



………あの日までは。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ