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中二病ドラゴンさんは暗黒破壊神になりたい  作者: 禎祥
第二章 俺様、ダンジョンを出る
22/212

9

「これは……≪汚染されたバジリスクの魔石≫とある。それと、こっちは≪暗黒破壊神の欠片≫……?」


 もともとはバジリスクであったものが暗黒破壊神の欠片を埋め込まれて凶暴化したのではないか、とベルナルド先生が言う。それなら、経験値が低かったのも納得だし、仮にも偽暗黒破壊神でありながら低レベルの俺達に倒せたのも納得だ。


「報告するにも、とにかく一刻も早く戻らないと、だな」


 アルベルトが先を急ごうと促す。階層ボスの部屋には転移門、というのがダンジョン系ゲームの常識なのだが、皆の反応からするとそんな便利なものはないと考えるべきか。

 それにしても、暗黒破壊神の欠片、ねぇ……。


 ルシアちゃんが怪我をした四人に回復魔法をかけている間、俺はその黒い水晶を鑑定をかけつつ見ている。すると、スゥ、と俺の中に吸い込まれるように消えてしまった。


「あっ?!」


 それを見ていたおっちゃん達からも驚嘆の声が出る。えっと、これ、ヤバいやつ……?


「だ、大丈夫か? どこか痛いとか苦しいとかは……?」


 俺が凶暴化すると考えたのか、恐る恐るといった様子でアルベルトが聞き、ドナートが弓を構える。


「いや、特に何も……?」


 痛くもかゆくも眠くもない。異常なし。まぁ、もともと俺が暗黒破壊神だからな。


「これで俺様が暗黒破壊神などよりも力が強いと証明された訳だな! は~はっはっはっは!」

「本当に? 本当の本当にどこもおかしくないですか?」

「とにかく、どこか異常が出たらすぐに言ってね」


 心配して今にも泣きだしそうなルシアちゃんと、俺を気遣ってくれるベルナルド先生。他の四人は俺から警戒を解かないようだ。う~ん……。

 それからはサクサクと進む。ベルナルド先生の魔法やドナートの索敵でモンスターを避けながら最短距離を進んでいるっていうのもあるが。

 地面がしっかりした階層は駆け足で進んだ。ルシアちゃんも弱音一つ吐かずにおっちゃん達の強行軍によくついていっているよ。


 そして、39階層でやっと休憩。昨日俺とルシアちゃんが一日がかりで進んだ分を、たった半日で進んでしまった。

 昼食を取る俺は泣きそうだ。何故なら。メロンがこれで食べきってしまったのだ。牛肉も。生ものは日持ちしないから、とおっちゃん達にも説得されて全部放出してしまった。

 うう……俺の食べ物……。



「皆、物資はあとどのくらい余裕がある?」

「保存食が2日分ってところだ」

「回復薬は聖女様の回復魔法のおかげで間に合いそうだな」

「ポーションはあと6瓶だ」


 出発前に荷物の確認。俺は先代の鱗と爪くらいで役に立ちそうな物はもう持っていない。

 ルシアちゃんも同様。薬品系は一通りあるけれど食料はもう放出済み。


「食事がギリギリってところか。中層に入ったら、食えそうなモンスターも狩っていくぞ」


 アルベルトが方針を言う。急ぎたいが、それで物資が尽きては王都まで辿り着けないってところか。誰からも反対の声は出なかった。当然、俺も。お肉の為なら頑張るぞ!


 そこからはまた駆け足の強行軍。あと1オーラで9階層上るって言うんだから、かなりの無茶ってもんだろう。3階層駆け上った所に、また階層ボスがいた。

 おお、大きな鶏! 今夜は鶏肉が食える!? いかん、涎が……。


「おらぁぁぁぁっ!」


 バルトヴィーノが特攻をかける。バックアタックに成功した初撃はあっさりと鶏の脚を切り飛ばす。


「クケェェェ」


 鶏の分際で羽を飛ばしてくる。それも、突き刺さる勢いで。羽ってもっとふわふわ舞うもんじゃないのか! とツッコミたい。

 羽が突き刺さって怪我するのは嫌だな、燃やしてしまえ、と飛び上がった時だった。


「ダメだ! ブレスは吐くな!」


 ベルナルド先生が叫んだ。

 へ? と思って固まった次の瞬間、着弾した羽が爆発した。爆風で吹き飛ばされる。


「リージェ様!」


 ルシアちゃんが駆け寄ってきて回復魔法をかけてくれた。

 立ち上がる頃には、おっちゃん達が鶏を倒し終わっていた。残念。


『――≪リージェ≫が経験値235を獲得しました――』


 お? 倒していないのに経験値入った。


「よぉ、大丈夫か?」

「ブンバ・ポーロはその名の通り、羽が爆弾になっているんだ。ブレスなんて吐いたら大爆発だよ」


 軽い感じで声をかけてくるアルベルトと、苦笑しながら教えてくれるベルナルド先生。だがその名の通りとか言われても知らんわ! と怒鳴りたい。

 まぁ、怪我の功名とでもいうのか、ドロップアイテムは俺が期待した通り鶏肉だった。焼き鳥万歳!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【ステータス】


名前   : リージェ    


レベル  : 12 

EXP  : 12734/18231


HP   : 1166/1356

MP   : 941/1218

Atk  : 2839

Def  : 834


スキル  : タリ―語 Lv.2

       我が劫火に焼かれよLv.4

       血飛沫と共に踊れ Lv.5

       全てを見通す神の眼 Lv.1

       念話 Lv.1


称号   : 中二病(笑)

       害虫キラー

       農家

       ドM


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