どこにでもありそうなありきたりな1話
俺があいつを気にし始めたのは、中学2年生の終わりごろ。
もうじき親が勉強勉強!と、騒ぎ出す時期でもあった。
といっても、今言ったことは少し嘘なんだ。
きっかけは、友人のある一言からだった。
(「お前ってさ、顔もよくないし、性格もそんなによくもないし、彼女とか、一生できんのじゃね?」)
「彼女」
この四文字は、俺にとっては縁のないものだった。
運がないっていうか、俺が好きになった子には、いつも彼氏がいた。
その度ショック受けて、けど開き直って、また恋をして。
そんなことを繰り返していて、ようやく分かった。
「俺に、彼女は出来ない!」
友人に言われたとき、俺はきっぱりとこう言った。
けれど、欲しくないわけでもなく、言った後に少し悲しくなる。
そんな時、友人はこう言った。
「彼女出来たら、1000円やるわ。」
こいつ、ふざけてんのか?と思った。金で釣るなら万単位だろ、って問題はそこではなく
て。彼女のいる友人に、そう言われることがどこか悔しくて。
「乗った!!!!!」
バカな俺は、返事をした。
彼女を作る、と言ってはみたものの、問題はいくつもある。
「まず、俺変わらなきゃダメか?」
「なぜ俺に聞く。」
いつの間にか声に出ていたようだ。いつも一緒帰ってるクールな男子学生に聞かれていた
ようだ。
(こいつ口堅いし、聞いてみるか。)
「なぁ、俺って彼女できると思う?」
「お前彼女いなかったのか。あぁ、そういやそういう話はしてこないな。」
「・ ・ ・で。どう思う?」
「さぁ?出来るんじゃないの、普通にしてれば。」
「普通って、例えばどんなの。」
「じゃあまず、エロいの直せ。」
「っあれは、ウケ狙いでやってんだよ!」
「入学した時からそんなのしてるから、第一印象がエロスなんだよ。」
「そりゃ分かるけどさ・・・」
「まぁお前はもとが結構面白いから、あとは適度な暮らすとの交流をしてれば自然とお前
に惹かれてく女子は出てくるって。じゃ、また明日。」
「あ、うん。ばいばい。」
エロ封印と適度な交流か・・・。
この会話は、俺の人生にのちになって大きな影響を与えてくる。
ま、近い未来なんだが。