お花畑に自分好みの薔薇が一輪
この話は、矛盾の塊に近いもの。ただ、その理屈の通らないこと自体が恋そのものではないだろうか。
そもそも彼女と出会ったのは大学のとき。
僕の学科では、少数ゼミを採用しているものがあったのだけど、選考はとても適当なものだった。
学生77人に対して先生は7人だったから、単純計算1つのゼミあたりきっかり11人の学生が割り当てられることになった。で、ゼミの割り振り方は学籍番号のはじめから7人毎に順々に配置していくというもの。
僕と彼女の学籍番号は、7で割ったとかの余りが一緒だったから出会うのは必然だった。
男子4人と女子3人のゼミ。
初回のゼミでは、年相応か僕の心はどんな女の子が来るのかなっていうことで頭がいっぱいだった。やっぱり、大学生デビューしたからには彼女が欲しいなって思ってたし。
だから気になる娘がいたらよかったらって思ってたんだけど、これがまた1人僕の意識を向けさせる娘がいた。
どうして、その娘のことが気になったのか。それはごく単純な話で僕の高校生時代にいた後輩によく似ていたからだ。顔も、髪型も、体型も、雰囲気までもが似ていたから、それはとても驚かせた。
元々、大学に入る前に知っていた後輩のことが気になっていたのは事実。もしかしたら、恋心も芽生えていたのかもしれないけど、高校を卒業するまでの何度かの出会いの機会はその心を完全なものへとは至らせることはなかったから、告白しようかとか付き合いたいという気は起こることはなかったのだが……。
でもだからこそ、僕の意識は彼女へと向かった。他の娘へは、ただの女の子としての意識しか生まれることはなかった。
この瞬間から、ゆっくりと彼女への恋心が芽生えていき、僕自身もそれに気付き始めるのだった。
"出会い"は必然、そして"好き"になったのは偶然。
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恋が始まるのは自分の心に気付いてからなのか、それともその娘に話しかけようと思ったところなのだろうか。
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恋をしたとき、人の心は矛盾した考え方をしていてもそれが正しいと受け入れてしまうことがあります。
今回、その矛盾を完全に否定するまでの詳しいことは敢えて書いていません。
主人公がその当時思っていたことは、ここに書いたことまで。
だから、心情の変化も進め、ゆっくりと話を展開していくつもりです。
次は、「気になるから動く」を掲載する予定です。僕が彼女に対して、恋愛としてのアプローチをかけるのではなく、友達へとなるためのきっかけづくりをしていく様子を書く予定です。