ステータス
英雄は喫茶ボロンゴを出てから、街を探索していた。
街並みは中世ヨーロッパだが、ゴミ等は散乱しておらず衛生面でのレベルは日本の街路並みに保たれていた。
「‥魔術とかってやつの恩恵かな、想像してたより遥かに綺麗なんだな」
ふと、先程見た喫茶ボロンゴの外観を思い出す。
「あそこだけ、この世界の世界観ぶち壊しだよねぇ‥」
喫茶ボロンゴの外観は、石造りのこの街の中で木造り、しかも硝子一つをとっても低品質の手のべガラスではなく、フロート硝子タイプの強化硝子で、場所によっては二重サッシの高気密高断熱で結露対策までされている正しく技術革新のオンパレードである。
「しかし、何で日本語で通じるんだ?この世界は」
英雄も携帯小説等を読んでいて、ある程度はそう言ったご都合主義を気にはしていなかったが、いざ自分がその立場になると疑問が湧くから不思議である。
「んー、ヒーローあるあるの力とか‥かなぁ‥」
独り言ばかり呟いていた英雄は、ふと、ある考えが思い浮かんだ。
「まさかね‥」
疑問を解消しようと取り敢えず試してみる。
「‥ステータス‥」
すると、目の前に立体化した液晶画面と文字の羅列が浮かんだ。
「‥あるのかよ、ステータス‥」
苦笑いを浮かべ、若干冷たい汗を流しながら唸った。
「神様が決めた十個のお願いの内の一つ‥かな?」
お願いの詳しい概要を聞いてなかった英雄は、失敗したと悔やんだ。
「‥もう、聞きようが無いし仕方ないか」
結構アッサリと開き直り、ステータスの項目を指でスライドさせて行く。
内訳は下記の通りだ。
名前:正義 英雄
Lv:508
Exp:17.163.759.468
種族:変身ヒーロー
HP:999.999
MP:999.999
Str:17.723
Vit:18.819
Int:16.993
Men:999.999
Spe:19.920
Luk:98
カルマ値:+52
skill:万能言語翻訳 フォース 底力 熱血補正 チビッ子のヒーロー 逆境時能力補正 全魔法・魔術習得 オーラバトラー 巨大メカ召喚 バイクマスタリー 変身[一段階目] 全体術マスタリー 全剣術マスタリー 全魔法魔術マスタリー
―変身時―
マシンガンナックル ブラストサンダー ギルティスラッシュ アルファシュート ベータエンド ガンマブラスタ Ω(オメガ) ラストフェニックス[未実装] ?[未実装] ?[未実装]
「‥ステータス、数字を見てもよく解らんのだが‥てか、Menて精神力だよね‥数字が一つだけ可笑しくね?カルマってなんだよ?てか、スキル可笑しいだろ!?」
英雄は頭を抱えた。
「大体、マスタリー多すぎ!魔法魔術マスタリーって、どこのヒーローが生身の時にこんな無双能力使うんだ!てか、どこがこの世界で不自然じゃないステータスなんだよ!うがあぁあっ!」