ネオ=クリムゾンVS魔王軍[2]
「誰だっ!」
アムドとカルラが驚き振り返ると、そこには目が飛びでてギョロついた、緑色の肌をした一件低級魔族の様な姿をした爬虫類型の化け物がいた。
「ヒャッヒャッヒャッ!俺様はネオ=クリムゾン幹部、No.12のデスカメレオン様だぁ!」
デスカメレオンが名乗りをあげると、その体が徐々に透明になっていく。
アムドとカルラの二人が呆然として見ていると、遂にデスカメレオンの姿は跡形も無く消え去った。
「きっ! 消えた!?」
カルラが辺りを見渡すが、どこにも見当たらない。
その時、アムドが呻き声をあげて片膝をつく、アムドの背中をよく見れば深い傷跡から激しい出血をしていた。
「どこを見ている、俺様はここだぞ? ヒャッヒャッヒャァァァッ!」
声はすれども姿は見えず、カルラが半狂乱になりながら吠える。
「卑怯だぞ!姿を見せろ!」
「あ? 卑怯 ?最高の誉め言葉だな、ヒャッヒャッヒャッ!」
正面からカルラの腹部に刃が刺さる。
「がはっ!」
腹に起きた熱く鈍い激痛に、刃に貫かれたままカルラが両膝をつく。
「ぬるいぬるいぬるいぃぃ!ここまでやられてヒーローが現れない所を見ると、この世界にはヒーローは存在していないのか! ヒャッヒャッヒャァァァッ!」
その時、片膝をついていたアムドが、刃の先にある空間に向かい走り出す。
雄叫びをあげながらその空間に飛び込んだアムドが、自爆魔法を唱えて爆発した。
「あ‥‥アムド、様‥‥」
カルラが行きも絶え絶えに呟く。
爆発の煙が晴れていき、小さなクレーターが出来ていた。
暫くすると、何もない空間から徐々にデスカメレオンが姿を現した。
「ヒャッヒャッヒャ、自爆してこの程度か、たかが知れている」
無傷のその姿を見て、慌てることの無いその言葉を聞いて、カルラは自分はここで死ぬのだと理解した。




