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魔法?時代は変身でしょ?  作者: 葛之葉
異世界でヒーローバトル始めました
11/29

ボロンゴ少年団結成

その後、アベルをカウンター席に座らせたおやっさんが、クリームソーダを出して飲ませていた。


「ぷはーっ!喉かシュワシュワするけど美味しいっ!」


「はっはっは、気に入ってくれたなら嬉しいよアベル君!」


おやっさんは上機嫌だ。

クリームソーダもこの世界にはまだ存在しないボロンゴオリジナルである。

材料が何処から来ているのかは不明、恐らくヒーローあるあるのご都合主義であろう。


「で、アベル少年‥なんで俺を探してたんだい?」


「あっ‥そうでしたっ!」


クリームソーダの魔力に魅了されていて、本題を忘れていたらしいアベルは、バニラアイスを頬張りながら説明を始めた。


「びづばでずね、ぼぐらぢざんにんでぢーむぼづぐっだんでず!」


「成る程、解らん」


食べながら喋るのでサッパリ理解できない英雄。

流石に伝わらないと思ったのか、口をモグモグ動かしアイスを溶かしてからアベルが言い直した。


「実はですね、僕達三人でチームを作ったんです!」


「チーム‥?なんのチームだい?他の二人って?」


「あわゎ‥えっとこの前、僕が川で溺れてる時に仲の良い友達二人も近くにいて、それで三人でカッコいいチームを作って正義の味方になって、で、おじ‥お兄ちゃんがリーダーになって、それで、えっと‥」


どうにも脈絡を得ない説明を根気よく聞いて、何となく英雄は理解した。


つまり、この前の救出劇をたまたま目撃したアベルの友達二人が、英雄のヒーロー振りに感化され、同じく感化されていたアベルと意気投合して、正義の味方のチームを作ったらしい。


そこで、チームリーダーに英雄がなってほしいと、お願いに来たのだそうだ。


「はっはっは、良いじゃないか英雄君リーダーになってあげなよ?」


「おやっさん、あのねぇ‥はぁ‥おやっさんには負けるよ」


そこで、おやっさんはポンと手を打ち何かを思い付いたかの様に言った。


「序でにチームの名前も決めよう!僕に良い案があるんだが?」


「名前ですか?お願いしますおじさん!」


アベルがおやっさんをおじさん扱いした。


「おじさん‥まぁ良いけど‥では[ボロンゴ少年団]‥なんてのはどうだい?アベル君?」


「おやっさん‥子供達を使って店の宣伝するつもりだろ‥」


英雄が呻いた。


「んー、もう少しカッコいい名前が‥」


「そのかわり、ボロンゴ少年団員は毎日クリームソーダが無料だよ?」


「ボロンゴ少年団カッコいいです!それにしました!」


子供ってやつは‥苦笑いを浮かべながら英雄は微笑ましいやり取りを見つめていた。

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