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魔法?時代は変身でしょ?  作者: 葛之葉
異世界でヒーローバトル始めました
10/29

アベル君

数日後、英雄は喫茶ボロンゴでモーニングを楽しんでいた。


「いやー、おやっさんのフレンチトースト絶品ですよねー」


目の前のフレンチトーストとサラダ、ココアのセットに舌鼓を打ちつつ朝のヒーロー番組を横目に言った。


「ふふん、だろー?実は自慢なんだよねー」


因みに、ファトゥナートのパンは固い、しかも

食パンなんて存在しない。


「レバンノンの街でフレンチトーストやココアを堪能できるのは、ここだけですからねー」


ホットココアを飲みつつ英雄は満面の笑みで言った。


英雄が言った街[レバンノン]は、今英雄達が居る街の名前で、人口は約150万人の大都市である。


人間だけでなく、獣人族、ホビット族等も少数ながら居る、他にはエルフ族やドワーフ族等も居るらしいが、ほんの一握り、一桁程度である。


「まあ、ウチは他にもメニューがあるんだがねー‥」


おやっさんが苦笑いしながら答えた。


その時[カランカラン]と、ドアのベルが鳴った。


「いらっしゃい‥ん?」


入ってきたのは金髪を真ん中分けした整った顔の少年で、店の中を見渡していたかと思うと、真っ直ぐに英雄の元へと歩き出した。


「おじちゃんっ!」


その声に英雄が振り向くと、見覚えのある少年が目の前に立っていた。


「ん?‥あぁ、あの時の‥」


「はいっ!あの時はありがとうございましたっ!」


「確か‥アベル少年‥だったかな?」


英雄は何日か前に川から助けた少年を思いだし、名前を確認した。


「はい、アベルですっ!」


アベルは名前を覚えて貰えていて嬉しかったのか、満面の笑みで答えた。


「因みにアベル少年‥おじちゃんじゃ無くお兄ちゃんね‥」


転生の影響か、英雄の外見は二十代半ば程度に若返っていた、しかしアベルにしてみればおじさんなのであろう。

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