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【あらすじ】
普通の女子高生の七嶋アリサが召喚されたのは、剣と魔法の異世界……ではなく、その異世界が分割されて出来た『亜世界』だった。
彼女を召喚した『人間男の亜世界』のアカシニア王子は、彼女に全ての『亜世界』を元の1つの異世界に戻すための手伝いをして欲しいと告げる。そしてそのためには、アリサが『モンスター女』、『妖精女』、『人間女』の3つの『亜世界』に行き、そこの『管理者』と、契約という名目でディープキスをしなければいけないとも……。
反発しながらも、何とか『モンスター女の亜世界』の結合に成功したアリサだったが、実はそれは、結合された『亜世界』の住人を貶め、『人間男』が有利になるように仕組まれた策略だったと知らされる。
自分のせいで『モンスター女』の世界の住人を傷つけてしまったとを知ったアリサは後悔の念にかられ、次に転送された『妖精女の亜世界』では、結合を行わずにその世界の住人たちを守ろうとする。
しかし『妖精女』のエルフたちに、『亜世界』の結合は誰かを傷つけるだけでなく、助けることも出来ると教えられ、結局最後には、その世界の『管理者』と契約を結ぶこととなった。
そして、結合の契約に引け目を感じることがなくなった彼女は、ついに最後の『人間女の亜世界』へと送り込まれたのだが……。
【各『亜世界』とキャラクター紹介】
********** 普通の世界 **********
≪七嶋アリサ≫
この物語の主人公。高校2年生で、女子フットサル部に所属している。要領がよいためスポーツも勉強もそこそこに出来るうえ、性格も明るくて学校の内外に友達が多い。本当の意味での優等生。(ただ、裏を返せば全体的に広くて浅い付き合いが多いということでもある)
『亜世界』に連れてこられる直前に、同じ学校の女友達から愛の告白を受けており、それを断って彼女を傷付けてしまったことをずっと気にしている。
********** 人間男の亜世界 **********
アリサが召喚されて最初に訪れた『亜世界』。
『管理者』を決める方法は「多数決」(間接選挙も含む)。
≪アカシニア・シュル・ロワール≫
神聖アカシア帝国の王子だったが、現在は更に成り上がって皇帝、兼、教皇(=『亜世界』の『管理者』)。強引な方法でそこまでの巨大な権力を手に入れたことには、何かの理由があるらしい。野心家で悪知恵の働く性格だが、人間としてはまだまだ幼さが目立つ。
≪アウグスト・ノヴァールス≫
アヴァロニア公国の君主。5年前にアカシニアの父に騙されるような形で神聖アカシア帝国を追放され、そのことを根に持って復讐の機会をうかがっている。アヴァロニア公国は、当初は彼と同じように帝国に恨みを持つ者たちを集めた国だったが、今では犯罪者や居場所を失ったならず者たちも受け入れていて、半ば無法地帯と化している。『モンスター女の亜世界』の『管理者』だったアシュタリアと組んで、何かをたくらんでいるらしい。
********** モンスター男の亜世界 **********
詳細は不明。『人間男の亜世界』に吸収されてしまったため、既に存在しない。
********** 妖精男の亜世界 **********
詳細は不明。『人間男の亜世界』に吸収されてしまったため、既に存在しない。
********** モンスター女の亜世界 **********
『管理者』を決める方法は「トーナメント」(同じレベルのモンスター同士で戦うと、勝った方のレベルが上がる。最終的に最高レベルまで上げた者が『管理者』になれる)。
『人間男の亜世界』に吸収されてしまったため、既に存在しない。
≪ティオナナ≫
通称ティオ。人間と三毛猫が混ざったような風貌のモンスター。無邪気だが、意外と邪な性格。アリサと行動を共にしていたが、アシュタリアによって殺害される。
≪サラニア≫
人間と白猫が混ざったような風貌のモンスター。ティオナナの妹。ティオナナの死後、自ら命を断つ。
≪アシュタリア≫
『管理者』。幼い人間の子供のような体躯だが、肌は青くて目は黄色と黒。悪魔の一種。
一時期アリサと行動を共にしていたことで彼女に興味を持ち、そのために、圧倒的な有利だったのにもかかわらず彼女に敗れて『亜世界』の結合を許してしまった。アカシニアの策略によって現在は人間よりもはるかに低い能力に貶められてしまっている。アウグストと組んで何かをたくらんでいるらしい。
********** 妖精女の亜世界 **********
元は多くの妖精がいたが、アリサが訪れたときにはエルフの姉妹を残して他は全て絶滅してしまっていた。精霊という5属性のエネルギーと、それを使った『亜世界樹』というスーパーコンピューターがあった。
『管理者』を決める方法は「なし」(決定する力を持った長老エルフが死んでいたため)。
『人間男の亜世界』に吸収されてしまったため、既に存在しない。
※以下、名前はアリサが勝手に名付けた物。もともとは全員名前がなく、職業名で呼び合っていた。
≪エア様≫
『管理者』。妹たちから愛されているエルフのお姉さん。綺麗な金髪に長身で、スタイルもいい。特別な能力は持っていないが、5属性の精霊をまんべんなく行使することが出来る。
2000年以上生きていて、実は『亜世界』が出来る前の世界(分断される前の異世界)にいたこともある。子供のころの彼女を見て一目惚れをした人間の吟遊詩人が、「漆黒の闇をも切り開く、爽やかな春の風」(エアルディート・シュヴァリベルツィネア)という名前をつけたのだが、あまり興味がなかったのか、ほとんど忘れてしまっていた。
※以下はエルフの妹たち。『亜世界』を運営するためにそれぞれが1~2つの職業についており、その職業に特有の、魔法のような能力(=職能)を使うことが出来る。
アリサが時間遡行を行ったため、現時点では全員アリサと面識がない。
≪アキちゃん≫
・建築家 属性:木水風
吐息で植物を操って変形させることで、好きな形の建築物や造形物を作ることが出来る。
・芸術家 属性:火心
歌を歌うと、聞いた者に歌詞以外の任意の情報を伝える事が出来る。本人に意味が分からない事でも、分からないまま(情報量を減らすことなく)相手に伝達することが出来る。
≪アナ≫
・分析家 属性:風心
風の流れを読んで、誰がどこにいるのかを把握することが出来る。また、目の前の相手の心を読むことも出来る。
・農業家 属性:木火
植物の持っている成分や味を最大限に引き出すことで、望んだ効果を発揮する料理(調合物)を作る事が出来る。
≪でみ子ちゃん≫
・研究者 属性:木
『亜世界樹』にアクセスする事が出来る。(その職能自体は、『妖精女の亜世界』がなくなった時点で『亜世界樹』も失われたために無意味となった。だが、これまでに『亜世界樹』の研究を行ってきたことで、それを補うのに充分なほどの知能を獲得している)
・錬金術師 属性:木水火風
生物以外のあらゆる物から、別のあらゆる物を作り出す事が出来る。
≪宇宙飛行士ちゃん≫
・宇宙飛行士 属性:なし(借りた力に依存する)
エルフの仲間から許可を得ると、その者の力、知識、技術(職能を含む)を借りて、自分のものとする事が出来る。
800年前に『管理者』の姉や他のエルフたちから力を借りて宇宙に飛び立ち、最近になって帰ってきた。その際に浦島効果が働いているため、彼女だけが他の妹たちよりも幼い。
********** 人間女の亜世界 **********
『管理者』を決める方法は「遺言」(現『管理者』が生前に次の『管理者』、もしくはそれを決める方法を、指定する)。最近『管理者』が往生し、新しい『管理者』に変わった。
≪三ノ輪アカネ≫
『管理者』。アリサと同じ世界から召喚されてやってきた少女。学校と部活も同じ。詳細は不明。




