第二話
太陽はまだ顔を出して、間もないくらい。
もし生き物に例えるなら、しょぼしょぼの目をこすって、夜という布団から出てくる。そんな時間。
よく早起きだと言われるけれど、私としては、体に染み込んでいるリズムみたいなものに身を任せているだけなのだ。だから早く起きたという感じはないし、無理をしているということもない。
もし私が早起きなら、新聞を届けてくれる方や太陽は、とんでもない早起きになる。今日で言うなら、教室みたいな部屋の夢を見ているあたりから、仕事をしているだろうし、顔を出していると思う。だから彼ら?(性別がわからないので)こそ、本当の早起きだと思う。
とまぁ早起きの定義について、長々考えているうちに、朝のホットコーヒーが入ったし、トーストと簡単なサラダもできていた。
いい香りが部屋を満たして、ちょうど良い空腹感が、食欲をそそる。
手を合わせて「いただきます」と一言。
トーストをかじりながら、新聞の一面を眺める。この世界樹の事が、十数ページにまとめられている。観光地にしようとする動きや、それに対する反対運動についてだったり、一部で紅葉が見られたり、虫が大量発生したりとかいろいろ。
サクサクと食べながら気になる記事の近くに印を付けておく。それはクリッピングして、ノートに挟んで、まとめることにしている。しばらく前から続けている事で、これがなかなか楽しく、もう18冊にもなっていた。
取っておいていいことがある、と言う訳ではないと思うけれど、気が向いたとき読み直すとか、散歩に行く時の目的地を探すとか、いい暇つぶしの材料になるので、いいことはある。のかもしれない。