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第二十三話
目を覚ますと相変わらず体はだるかった。
起き上がるのも面倒くさく感じるほどだ。
けれど『なぜ自分がベッドで寝ているのか』と気づいたら、そんなものは吹き飛んだ。
どうして私はベッドで寝ている?
帰ってきたあの一連は夢だった?
じゃあこのだるさは?
ぐるぐると頭の中を駆け回る考えを持ちながら机の上を見ると、置かれていた料理や灯りが綺麗に片付いていた。
その上をよく見ると白いものがあった。なんだろうと立ち上がり、近づいて見てみると1枚の紙だった。
書き始めは『グーリェより』となっていた。
手紙だった。
あれは夢ではなく彼はここにいたのだ。
しかし彼はまた出かけていったのだろう。
そして手紙を残していったという事は、つまりは、そういうことなのだろうか。
嫌な考えが頭をよぎった。
とりあえずこれを読まなければ、なにもわからないままだ。
嫌なそれを紛らわすように声に出して読み始める。
「おはよう、いい夢は見れたかな?」