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第二十二話『名も無き彼女へ』
3枚の手紙を書いた。
もちろん彼女に向けて。
きっと届くだろう。
なんて言われるかはなんとなくわかる。
きっと怒るだろう。
それでもご飯を作ってくれる。
君は優しい。
この2週間とても楽しかった。
これからはここが君の家だ。
大丈夫。君ならきっと大丈夫。
ゆっくり思い出していくだろうから。
それじゃあ。
言い残すことがないと言ったら嘘になるけれど。
そんなこと言ったらきりが無いからさ。
うるさいって怒られる前にここら辺で区切っておかなきゃ。
そばにいてあげられなくてごめんね。
それじゃあ今度こそ。
行ってくるよ。