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082 番外編 オーナブルの秘密〜勇者陣営〜

以前ちょろっと出したオーナブルのお話。

間違えた……通りペアの側は天野じゃなくて白石に訂正。



ーいつかの夕食での会話ー




「そういえば……授業で金貨について説明を受けたよな?」



夕食の時間にふと声をあげたのは小川だ。



「単位のやつだろ?銅貨、銀貨ってやつ。世界共通ってところが便利だよな」



隣の席で食事をとっていた白石がそれに反応する。とおるペアと囁かれるこの2人は基本一緒にいることが多い。小川曰く馬が合うのだと言うが、周りから見たらどう見ても2人共馬鹿だから話があってるようにしか見えない。



「いやでもさ……なんで金貨の上が大金貨とか白金貨じゃなくてオーナブルなんだ?」



言われて見れば確かに、と彼等の席の近くに座っている者は考えさせられる。



「その疑問については私がお答えしましょう」


「「うぉお?!」」



とおるペアの真後ろに突如使用人のエルハが現れ驚いた何人かがガタガタと椅子から落ちそうになるのをなんとか堪えた。

今日も楽しいドキドキ☆エルハのお勉強教室の始まりだ。どうやらエルハは講師としての資格を持っているらしく、こうした生徒の何気ない疑問についてレクチャーしてくれる。夕食の時間にほぼ毎回恒例となっているエルハのお勉強教室を楽しみにしている生徒は何人もいて、彼女が説明を始めると高確率で静かになる。



「ロナエンデでの最古の文明が残っているのは5000年前とされています。銅貨、銀貨、金貨、オーナブルという通貨単位はまだ国という括りがなく大陸ごとに自由に行き来できた2000年前に設定されました。この時代では通貨という概念はあったものの今のように単位がなく、いつも大金(たいきん)を持ち歩かなければならない不便な時代だったそうです。そこで出てくるのが当時天才と謳われていた数学者のタロウ=オーナブル」



おや?と思ったのはオタクと分類される生徒だけではない。

察しのいい何人かは非常に穏やかな表情でどこか遠い目をしている。



「タロウは通貨を銅貨、銀貨、金貨の階級ごとに分類し価値を明確に定めました。そうしたことで世界経済は劇的に改善され市場もうまく回るようになったと言われています。タロウはその後も税制度を確立させたり法律を制定したりと多大な貢献をし、その功績が讃えられて彼の死後に新たな通貨単位''オーナブル''が設定されました。現在も彼が残したオーナブル家は名家中の名家で数々の天才をこの世に生み出しています。歴史的には魔技学者のテツロウ=オーナブルや言語学者のコタロウ=オーナブルが有名ですね」



いかにもな名前に、タロウだけじゃなかったと運悪くエルハの話を聞きながら水を飲んでいた岩井が盛大に吹き出す。



「今代のオーナブル家長男は皆様と同年代だったと思います。オーナブル家久しぶりの天才だ、と……確か名前はエイシロウ=オーナブルです。王子達と同じ学園に通われていますよ」



エルハのその言葉でたった今、生徒達の中ではエイシロウ=オーナブルとの遭遇フラグが立った。




次は補足です。

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