051 ザクリ
51話です
よろしくお願いします。
修正しました。
淡いオレンジ色の物体→真っ白な物体(20150804)
扉を開いて自分の部屋に入る。
「ただいま」
俺がそう言うと視界の端に映っているユーリアが優しげに微笑んだ。
ユーリアに微笑み返し、自分の机に向かう。本当はすぐさまベッドにダイブしたい気分だ。
しかし俺は部屋に入ってすぐに違和感をおぼえて足を止めた。
部屋の中を見渡す。
(……? 俺の部屋ってこんな感じだったか??)
そうは思うが、具体的にどこがどう違うのかはっきりと分からない。
何だかモヤモヤして気持ちが悪い。
もしかしたら俺がいない間に誰かがこの部屋に足を踏み入れたのかもしれない。
そうなると一大事だ。
そう思い、俺は自分の机に向かって一歩踏み出した時だった。
ーーーーーパキ
(…………?)
足元から何やら聞き慣れない音が聞こえて思わず下を見る。
何か踏んだらしく、反射的に踏み出した左足をあげた。
「これは……」
しゃがみ込んで確認する。
そこには白い何かの殻の残骸があった。
何か、というのはもう分かりきっている。
いくら壊そうとしても決して割れなかったあの不思議な卵の殻だ。
俺が踏んだせいで殻の破片粉々になっている。
何故今になって簡単に壊せるようになったのかは謎だ。
(殻だけ、ということは孵化したのか……なら中身は何処に行った?)
一番気になっていた中身が見当たらない。
何処へ行ったのかと取り敢えず部屋を探そうーーと思ったところで如何にもそれらしいものを見つけた。
(…………あれで隠れてるつもりなのか)
斜め前方。机の下。
立ったままだったらちょうど椅子と机の陰になって見えない位置に何かが丸まっているのが見える。
俺は立ち上がり、卵の中身であろう真っ白な物体に近づいた。
団子虫のように身体を丸めていてボールみたいだ。
何の動物が全く分からない。
(……あれ?もしかして動物じゃない?虫?)
卵から生まれたという時点では虫か動物かは分からない。
生まれてくるのは動物だと思い込んでいたが虫の可能性もある。
(…………どうするか)
ぶっちゃけ机の下、という位置が悪い。
部屋の隅っこの方とかなら存在を無視して放置したが、これでは机で作業する時に何かと足元に気をつけなければならないので面倒極まりない。
( せめて移動してくれらたらな )
俺は少し考え、結論、
邪魔なら移動させればいい事だ!、と単純に答えを出した。
腰に掛けている短剣をそのまま取り出し、鞘が付いている状態で何だかよく分からない生き物ーー謎生物と言うことにしようーーをつついてみる。
ーーーーツン
…………………………
「…………」
何も反応がない。
ーーーーーーーーツンツン
…………………………
もう一回試してみたがやはり、謎生物は微動にしないので思わず溜息をついた。
( どうしろっていうんだ…… )
もう手で掴んで何処か別の場所に運ぼうとするしかない。
そう思って徐に謎生物に手を伸ばして触れようとした瞬間、
ーーザク
「……………………イテェ」




