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すみませんが、誰か助けてくれませんか?え?そんな余裕はない?ではさようなら  作者: 南瓜
序章 始まりは計画的に、終わりは唐突に
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039 訓練場


長い廊下を抜けると、エレベーターホールがあり、エレベーターに乗り込む。ほと、中にあるエレベーターのボタンを見た。


B1

B2

B3

B4

B5


……こんなに掘って何に使ってんだ?

というのが感想である。地下5階まで別にいらなくね?

ちなみに上は35階まであった。


ーーーーーーーーーーーーー



ポーン



ホテルのエレベーターの様な弾んだ音が鳴り、地下4階に着いた。

扉が開くと同時に喧騒が聞こえてくる。


ーーオラオラオラァ!!

ーてめっ、卑怯だぞっ!

ほら、逃げないで戦う

ーーー少し休憩にする?

ーー足元も〜らいっ


エレベーターの扉の向こう側では男女が入り乱れての戦闘が行われていた。

逃げまどっている人もいる。


壁も床も鉄筋コンクリートで覆われており、防音性は抜群のようだ。


「ここ、地下4階はフロア全てが訓練場になっております。今私達がいる場所は共同スペースになっておりまして、基本的に能力の使用は許可しておりません。異能者同士の能力の戦闘は係に申請して部屋の許可を貰う必要があります。村上様、能力を使った戦闘をご覧になりますか?見学は自由ですので」

「……少し興味があります」

「それでは行ってみましょう」


碓氷さんに着いて行き、共同スペースを抜ける。

少し歩くと全面ガラス張りで囲まれている大きな部屋があった。何故か他の人も観れるように観客席もあり、席に移動する。

俺達の他にも数人座って見ている人がいた。


「地下4階と地下5階はどちらも訓練場になっていまして、地下5階には私達が今見ているような大部屋が幾つもあります。地下4階の半分は共同スペースでもう半分は能力者同士の戦闘が良く見えるように、観客席の2階席となっております。下の1階席にも階段で降りれるので繋がっている事になりますね。ただ、2階席で見れるのは5部屋が限界で残りの部屋は1階で実際に見ることになります」


確かにこれは見やすい。

もっと人がいたらかなり盛り上がるだろう。

しかし俺は1つだけ気になる事があった。


「訓練場はガラス張りになってますけど、これ大丈夫なんですか?壊れたりはしないんですか?」


能力を使った戦闘はかなり激しいものだと思う。実は戦闘をやる度に壊されて何回も張り直していないのか心配になった。


「ええ、大丈夫ですよ。実はこれ、ガラスではありません」

「…じゃぁ、何でできてるんですか?特殊な素材を混ぜているとか?」

「違いますよ。一見ガラスに見えますが、結界でできているんです」

「……異能者の能力ですか」

「そうです。実は私達の組織は世界でも1、2位を争うような凄腕の結界師の方々が所属しておりまして…。異能者が使う前に毎日一回だけ結界を重ね掛けして強固にするだけで、中で何をしても1日中もつんです」

「そうなんですか…」


結界師の人達がいるなら納得だ。

今、中で風の能力者と炎の能力者が戦闘している。爆発や竜巻が起きても音が煩いだけで結界は揺るぎもしなかった。

結界師様様だ。


さてと、と碓氷さんは時計を確認した。


「丁度今、お昼頃なので食堂にご案内します。私のオススメとしては日替わりメニューが美味しいですよ。……確か今日は和食でメインは肉じゃがだった筈です」


お昼で嬉しいのか、碓氷のテンションがさっきよりも高い。というか、日替わりメニューの献立を覚えているのか。碓氷さんは食いしん坊系の女子だったようだ。


「俺、肉じゃが好きです」


お昼ではしゃいでいる碓氷さんを見て、なんだか思った以上にここでやっていけそうな気がした。


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