隊員は隊長で遊びたい①
隊員の好奇心(ストレス発散)で遊ばれるライハ(の本体)
物凄く大まかなこれまでの説明。
人魔大戦時(中期)。
突然現れた悪魔襲撃によって即死級の深手を負ってしまったライハ隊長が、突然スキャバードと名乗る三人組に助けられてラビ副隊長と共に隊長を医務室まで運んだ。
翌朝。
怪我も大分癒え、隊長ならば意識が戻る頃だろうと、フィランダー第二班班長が朝食を持って医務室の扉を開けたのだが。
「……隊長、大丈夫です──、!!!?」
そこにいたのは真っ黒のピューマ(らしき生き物)だった。
すぐさまフィランダーが机に朝食を置いてラビ副隊長の元へと駆け出す。
「ラビ副隊長おおおおおおお!!!隊長がああああああ!!!!」
すぐさま書類整理をしていたラビ副隊長を担ぎ上げ隊長の元へ連行。
「うおおおおおお!!!?なんだなんだどうした!!?」
「たたた隊長がなんでか大きい猫化の動物に!!」
なんだなんだと他の隊員がフィランダーと俵担ぎされたラビ副隊長を見やる。
「ね、ねこ??ネコではなく??」
「違う種類のものでした!!頭に小さな角もありました!!」
「????」
どういうことだとラビ副隊長が首を捻っている間に医務室に辿り着いた。
そして恐る恐ると扉を開こうとしたとき、突然中から悲鳴が上がる。
『に"ゃああああああーっっ!!!なにこれええええ!!!』
ネコさんの声だった。
ラビ副隊長と顔を合わせた。
あれ?ネコさんだった?
昨日以来姿が見えなかったが…。
「ね、ネコさん?」
扉を開けると、パニックになっていたネコさんがいた。
「どうどう」
ラビ副隊長によって落ち着いたネコさん。
『はぁー、はぁー』
「お水飲みます?」
『ありがとう』
伸ばされた尻尾にコップを乗せるが、いつものように掴むことなく落下した。
『うわあああ!!この体不便だよ!!』
ニ"ャオオオン!とネコさんが絶叫した。
「あの、ネコさん。隊長はどこに?」
『どこって、この体がライハのだけど』
停止した二人。
そして。
「えええええええ!!?」
フィランダーの二度目の絶叫が建物内に響いた。
ラビ副隊長に落ち着かされ、野次馬が集まりきったところでネコさんから説明された。
『あのー、この体なんだけど、ネコの方に完全に体の主導権が渡ったときの身体変化なの。中にちゃんとライハの体があるから、いつものように動かせないのが辛い』
むむむ、と困った顔のネコさん。
「では、隊長は?」
『まだ寝てるね。スヤスヤ。でも傷は脇腹以外は治ってるよ!』
そこでようやくラビ副隊長が口を開いた。
「よし、問題なしだな」
いや大有りじゃないか!!




