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魔王ライハは勉強中である.1

これは、本編と関係があるが、流れ的には読まなくても全然平気なお話です。

過去や、本編では語られなかったお話、未来の話、それらを不定期に綴っていきます。


では、ごゆっくりどうぞ。












■■■




戴冠式も終え、晴れて魔王となった。

神から与えられた管理人の権限を獲得したということで肉体年齢が固定化されたらしいが、正直まだ実感がわかない。


そんな中、山積みとなった書類に突っ伏している青年がいる。

言わずもがな、ライハである。






「……舐めてた」


と、ぼそりと書類に向かって呟いた。

確かに立候補したさ。あのままだったら全処分の勢いだったし、なんなら見せしめみたいな方向になりかけていた。

それをなんとかしようと声を上げた。

いやだって、ね?

魔族全処分はさ、ほら、一応オレも含まれちゃうし、何よりタゴスとか双子とか、あとエルファラやネコもね、居心地悪いじゃん。だからオレにできることならーってね、思ったわけですよ。

帰ってこられる場所を作って、あとは世界のために貢献できるくらい発展できればうまく溶け込めるんじゃないかって。


「問題が、多すぎる」


就任すればしばらく身動きとれなくなるだろうと先取りで半年バカンスしてたツケか。

あれだよ、人間やること多すぎると思考停止状態になるじゃん。まさに今のオレ。

何から手をつけたらいいのかわかんない。

思わずラビに泣きつくかと思ったもん。

そりゃゼロからの建国状態だもんな。問題がないわけないもんな!!!


「ふぅ。休憩終わり。で、えーと?」


現在の人口は500人ちょい。

それは半人達の人口で、残りは魔物や魔獣が多数を占める。


一応戦闘用の生き物とはいえ、躾はしっかりされている。


「問題は、食料」


城に貯蓄されていた食料は少なくなってきている。オレが就任する前はというと、煌和の人たちが半人の囚人達を管理していたらしい。その他の半人は他国に逃げているのを捕らえたりしてここに送られてきていた。


半年たった今、この世界の半人がほとんどここにいるって感じだろう。


食料確保が大変。

いや、あのね?牛みたいな魔獣でなんとかなりはするんだけど、魔物と魔獣の餌の問題がね。

この国だけで食物連鎖をさせるわけにはいくまい。


「うーーーーん…」


頭を抱えていると、扉が開いた。


「ライハー!追加持ってきたぞー。ってそんな死にそうな顔するなよ。らしくないなぁ!」


タゴスだった。


「お前の親友も頑張ってんだろ?お前も頑張らなくてどうするよ」


アウソのことか。


「分かっているけど…。てか、それなんの資料?」


「これか?頼まれていた能力や種族別の半人達のリスト」


「ああ、そういえば」


頼んでた。


ためしに手に取り読んでみたが、分からない単語が多すぎて辛い。

勉強不足を痛感する。


これはもう、誰か増援を頼むしかない…。


「待てタゴス!!」


帰ろうとしていたタゴスの服を掴んで引き留める。


「あ?なんだよ」


「煌和の人と連絡を付けてもらっていいでしょうか?」


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