表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
652/745

因縁の相手.2

お互い得物を手に隙を窺う。

手加減なんかできない。初めから、本気の、真剣勝負だ。


「!」


びりっと魔力の痺れが走った。


シンゴから放たれた魔力の塊が風を纏って襲い来た。

柱に着弾するなり横一線に亀裂が走って倒壊する。巻き込まれたのも合わせて二本倒壊。


避け際に飛ばした電撃がシンゴの肩を貫いている。苦悩の顔。しかし焼き焦がして穴を開けた肩はすぐさま肉が盛り上がって感知した。オレと同じく回復能力が高い。


再び魔法が放たれ、同時にシンゴの姿が消えた。


展開した魔法陣盾にシンゴの魔法がぶつかって地面に波紋状の亀裂が走る。

咄嗟に上げた顎先を刃が通過する。


バンッ!という音と共に反射の盾に当たって衝撃波を飛ばす。刀身に細かい風の刃を纏わせてるのか。万が一にと戦闘開始直後に体に張り付けた魔法陣が役に立った。


「ちっ、小細工しやがって」


シンゴの悔しげな言葉にニヤリとする。


後ろへと回転し、地面に手を着きバネにした。狙いを定めて蹴りあげる。避けるシンゴ。想定済みだ。

振り上げた大剣を振り下ろすが、足る寸前でジャンプする。

大剣は誰もいない地面を破壊する。

突然姿が消えたことに驚くシンゴ。そのすぐ背後に現れ、斎主を振るう。


「ッ!」


突然悪寒がして後ろに跳ぶ。シンゴの背中や肘から刺が伸び、すぐ目の前でガチンと交差する。


魔物のような攻撃の仕方しやがって。


シンゴがこちらを見て笑ってる。


「危ねーだろ?」


「こっちの台詞だ」


互いに振った刃がぶつかり、火花と衝撃波が発生した。次いで電流が散る。


(くそっ、やっぱり一筋縄じゃいかねーか)


なんせリーチの問題もある。

ぐるんと視界が回転し、次の瞬間にはシンゴが遥か下方。

足の裏には柱の固い感触。

視界の端には、ネコと双子が被害が及ばないように結界を張っていた。よし。


「お!」


こちらを見つけたシンゴから、銃弾に似た魔力の塊が発射された。


目に見えないのがネックだな。まぁ、オレには関係ないが。


纏威を発動して思い切り跳んだ。

足場にしていた柱に大穴が空く。


おいおい距離が空くほど威力が上がってんじゃねーか。


大穴が空いた柱が傾いて、近くの柱を巻き込んで倒壊。


「テレポート出来るなんて聞いてないぞ!!卑怯者!!下りてこい!!」


「戦いに卑怯もねーだろーが!!」


何言ってんだお前。


雷の矢を放つ。シンゴはそれらを大剣でもって破壊していく。ほんとあの大剣厄介だ。だが、やれない訳じゃない。


シンゴの大剣は刃こぼれをしていた。シンゴの大剣には厄介な能力があるが、オレの剣は違うベクトルの能力を持っている。オレの感情によって切れ味が増す。強度対決なら絶対に負けない。しかも、今は特にだ。


そう!オレの斎主は今最高に切れ味が良い!何故ならば!!オレはこいつに何度も何度も何度も殺されかけたから!!怒りの感情がMAXだぜ!!


斎主が反応し、青白く輝く。

ジャンプ。


目の前に転移。剣を振るう。

シンゴも負けじと応戦するように魔法発動。


周辺に巨大な衝撃波発生。双子が悲鳴を上げたがそれらは全て掻き消され、柱が次々に折れて砕けていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ