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INTEGRATE!~召喚されたら呪われてた件~  作者: 古嶺こいし
第八章 駆け抜けた先
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第三の門番.11

挿絵(By みてみん)

簡単にチートができると思うなよ

キンキンと甲高い音を立てて切っ先が唸る。

シラギクの魔力が渦を巻きながら二振りの刀へと纏わりつき、次第に回転数を上げていく。


さながらドリルのようだ。


激しく魔力が弾けて電流のようになった時、シラギクが声をあげた。


「ネコさん!今です!!」


『ニャーッ!!』


体に圧が掛かり一気に加速する。

一陣の風。または光の槍となって結界へと突き刺さった。


シラギクを中心に衝撃波が駆け抜けた。

刃先からは波紋の形をした魔力の弛みが生まれ、それにともない発生した魔力の雷に似たエネルギーがシラギクを襲った。


服を裂け、頬には赤い筋が入っても力を緩めることはしない。

それどころか、益々シラギクの魔力は増していく。


「シラギクさん!無茶は──」

「ええ、ええ!!解っています!!」


シラギクが言う。


「ですが!!このままでは道を開いてくれた彼らに顔向けが出来ません!自己満足で身勝手な理由ではありますが、ここでやらねば煌和の男の名が廃ると言うもの!!なので!!」


着物の色はいよいよ真っ白に近付き、シラギクの額には赤く丸い紋様が浮かび上がった。


「意地でも通らせていただきます!!!」


挿絵(By みてみん)


ビシリと結界に一本の筋が走る。

次の瞬間盛大な音を立てて結界が崩壊した。


「うわああーーーー!!!!」


オレ達はそのままの勢いで落下した。結界の欠片はキラキラと光ながら同じく穴へと落ちていき、突然辺り一面がはちみつ色に染まった。


壁一面すべてが黄金色で、その全てが膨大な魔力の塊だった。


光が壁に吸い込まれていく。

そうか、鏡に閉じ込められた魔法は、最終的に此処に辿り着き、溜まるのか。


幾重にも重なり、乱雑に生えた柱の間を潜り抜けていく。

すると、突然床が現れた。


「ネコ急停止!!!」


『!!?』


床に気が付いていなかったネコがオレの声ですぐさまブレーキを掛けた。尾を柱に巻き付けて、何とか間に合った。


腹に巻かれた尾が解かれ、着地を果たす。






顔をあげ──







「!!」








──言葉を失った。











「ニックさんッ!!」


シラギクの悲痛の叫び。アレックスがグリップを強く握り締めた音。絶句するアウソとユイ。キリコすら息を飲んだ。


目の前にあったのは、大量の腐った木の根に似たモノに拘束され、その一部がニックの右目から体内へと入り込んでいる姿であった。






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