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INTEGRATE!~召喚されたら呪われてた件~  作者: 古嶺こいし
第八章 駆け抜けた先
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第二の門番.7

アラクネ・トスはほくそ笑んでいた。

初めてウローダス様に声を掛けていただいた。


お前の能力が役に立つ、と。


先程の攻撃で子供達は殺られはしたが、なに、どのくらいの個人的な力があるかを測るためには必要な犠牲だった。

それに、子供はほっといていても増える。


ようは、命令を遂行すれば良いだけだ。


人間複数を此処に押し留め、言われた人間は先に通す。

簡単な仕事だ。

まずはあのバカにした人間と、近くにいるやつら、みんな喰らってやる。


『!』


体に爆発するような衝撃が来た。

来たか。




















アレックスの火炎が直撃した。

巣が弛むが、アラクネ・トス自体に変化はない。


横でアレックスの舌打ち。


次々に魔力が練り上げられ水が射出される。

ユイとアウソの水だ。


アレックスの炎に水が沸騰し、もうもうと水蒸気が舞い上がり、辺り一面の視界を遮った。すぐさま水蒸気を凍らせ、雷の矢を射つ。


瞬間作り出された雲に雷が迸り、凄まじい勢いで放電した。


並の魔物ならばあれで即死だが。


「…そう上手くはいかんよな」


蜘蛛の脚がこちらを向き、突っ込んでくる。


「先にいく!!」


ノルベルトが大剣を携え駆けていく。

続いてガルネット。そしてレーニォ。


「はっ!」


上空から降ってきた鉄糸をシラギクが展開した結界によって弾かれた。


先程のとは比べ物にならない量。雨と見間違える針が回転しながら結界の外へと落ちていく。


それを視界の端に捉えつつ、眼前のノルベルトの大剣がアラクネ・トスの脚へと振り抜いた。

ガァンと、鉄板を叩いたときのような音が響く。


大剣が弾かれていた。


「かってぇ!?」


「なんだアレ! あんなんあったか!?」


無かった筈だ!!

少なくとも先程までは。


足の方から胴体に掛けて、次々に網目状の物質が覆い、押し固まり、まるて鎧のような光沢を持つ外甲が出来上がっていた。


「ノル!」

「ノルベルト!!」


大剣が弾かれ体制を崩したノルベルトに迫る蜘蛛の脚。その先は鋭く刃物の様に変化していた。

割って入った二人の武器が蜘蛛の脚を見事弾きあげた。


角度が良かったからか、刃物部分が砕けた。だが、外甲部分は無傷。


どんな強度だ。


「!?」


グルンと蜘蛛が大きく回転し、お尻の部分から大量の糸が放たれた。

糸は漁網のように広がったネット状だ。

アレに囚われれば終わる。


すぐさま巣に残っていた水分に干渉し、凍らせた。


氷の細い刺が大量に巣からすごい勢いで伸び上がり、飛んできた糸は氷に絡まり停止した。


『厄介な』


アラクネ・トスがこちらを向いて呟いた。

次の瞬間、後方に危険を察知。


即振り返り、反射の盾を構築した瞬間、羽虫が盾に弾かれ飛んでいく。


「…ヤバい」

『げっ』


夥しい羽虫がこちらへ真っ直ぐに飛んできていた。

さすがにあの量は無理。


「シラギク──」

「無理です!!」


ニックがこちらにも結界を張って欲しいと言う要望を出そうとしたのだろう。あっさりと却下されていた。


「ニックさん虫除けミントは!?」


「もう種切れ」


「ですよねーーー!!!」


そりゃあんだけばら蒔いたんだ。

どれだけ持っていたのかは知らないが、流石に無くなっていてもおかしくはない。


「なら俺の出番なんだぞ!!」


アレックスが魔力を練り上げ、砲撃。

放たれた弾は最前線の虫に直撃した。


その瞬間信じられないことが起こった。


「!!!!!?」


虫が何故か大爆発を起こしたのだ。

迫ってくる爆風。


アウソが咄嗟に海水で衝撃を和らげる為の膜を張ったが、あまりにも爆発の威力が凄まじく、膜は一瞬で弾けとんだ。



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