表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
INTEGRATE!~召喚されたら呪われてた件~  作者: 古嶺こいし
第八章 駆け抜けた先
575/745

第二の門番.1

聳えた門。歪な六角形が色を変えながら重なりあい、細い鎖が蔦のように垂れ下がってる。


それを見て、何故だが鳥肌が止まらなかった。

なんだこれ。


え、なんだこれ。と、頭が混乱している。

強敵がいるとかそういうのではない。

オレがもっとも嫌悪するものがこの先にいる、と、頭が大音量で警告している。


「おい、大丈夫さ?顔色悪くね?」


アウソがオレの異変に気が付いたが、何でこうなってるのか分からないので小さく首を振るしかない。


「ほんとだ顔青い」


と、ラビ。


「ライハさん。貴方もですか?実は私も何故か嫌な予感がします…」


シラギクが小さく言った。同士がいた、と、シラギクを見ればオレよりも真っ青だった。その青さは流石にヤバくないか?

杖を思い切り抱き締め、なんとか落ち着こうと浅く呼吸をしている。


「し、シラギク?大丈夫か?回復魔法掛けようか?」


そんなシラギクを見てニックがワタワタとしている。

見てて面白い。アレックスもこっそり笑ってる。


「いえ、多分そんなんじゃ効かないものです。ですよね!ライハさん!?」


「え、は、はい!」


突然振られて吃驚したが、勢いに呑まれて返事をしてしまった。

でも多分そんなんじゃ効かないもので当たってる。





門に恐る恐る近づくと、軽く振動して扉が開いた。


どうぞ入ってくださいって感じか。


中に入ると真っ暗だった。ひんやりとしながらも何処か湿っぽく、不快な音が辺り一面を満たしている。

カサカサ、カサカサ。


枯れ葉が風で動くような微かな音。だが、その音だけでシラギクは完全に固まっていた。なのでニックがシラギクの手を引いて歩いてる。


そんな中、とりあえずまだオレは動けていた。

気のせいだったか?


ばたん。


扉が閉まった。

それによって一切の光が入らなくなってしまった。

夜目が利いてるのに暗い。そして泥臭い。


「目ェこえーわ」


『そう?』


そんな中で煌々と輝く双子に抱き抱えられたネコの目。

光源どうなってるんだよ。


「暗いわね」

「痛っ、誰だよ足踏んだの」

「さーせん」

「明かり点けるぞ」


ニックが魔法で明かりを着けた。直後後悔した。











「  !!!!!!!????  」















明かりを着けたのに地面が真っ黒だなと思ったんだ。それがな、一斉に動いた。


ガサガサガサっと、それはもう、蠢きながら。




一斉に上がる阿鼻叫喚(主にシラギク)。





ゴキブリ大丈夫だったけどこの数は流石に無理!!!!!!




「焼き払ってやるんだぞ!!」


パニック起こしたアレックスがジャスティスを装填。


「止めんか馬鹿者(フリムン)!!!」


それをアウソが気付き止めようとした。

もう、遅かったが。


燃え上がる炎によって焼かれていく大きめなゴキブリ。


皆さんは知っているだろうか?


ゴキブリ、焼いた個体がメスだった場合、フェロモンが放出されて、雄ゴキブリが大量に集まってくる事を。





地鳴りがやってくる。



見なくたって分かる。

ゴキブリの津波がやってくるのだ。



「おぎゃあああああああーーッッ!!!!!」



誰の悲鳴だろう?

誰のだって良い。


結界の中に引きこもりになっていたシラギクを担ぎ上げ、オレ達は無我夢中で逃げ出した。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ