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INTEGRATE!~召喚されたら呪われてた件~  作者: 古嶺こいし
第七章 力を持つモノ
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総力戦、開始.13

ちょっとまとめるものがあるので今日と明日は更新はおやすみます!


どうでもいい報告なんですけど

液タブのペンが反応(故障)しなくなりました…

せっかく挿し絵を描こうと思ったのに…

迫る鉄球。剣を滑らせる。

通常の剣や鉄ならば撫でるように斬れるが、この鉄球は刃が鉄に触れる前に弾かれる。

結界か。


火花が散る。


刃零れはない。

ならこの火花は魔力の衝突によるものか。


『ちぃ、ガードが強いの。全然吸い取れん』


鉄球が鞭のように舞い、メノウの元へと戻っていく。

鎖はあの杖の中に収納されているらしいのだが、確認した限りでは15m程は余裕で届く。しかも引っ掛かりの音もしなかったから、恐らくまだ届くのだろう。


「くそー、あの動きは厄介だな。蛇かよ」


『ネコもいけないよ。結界みたいなのやられてる』


「足止めっての、本気だったのか」


オレ達の周りにはドーム状の網のような結界が張られていた。

触れれば凄まじい痛みが走り、更にその先にはいけない。


逆も同じで、こちらにゾンビのようにやってくる化け物が触れる度に弾けてた。


コノンは相変わらず呆然とした様子で座り込み、泡に包まれている。いや、もう殆ど泡に飲まれていて、泡が動く度に揺れている。


『それ!それい!』


降ってくる鉄球をネコが尻尾で弾く。


『ライハ!ネコが相手しておくから結界お願い!』


『ム。小動物め、生意気な。よろしい相手にしてもらおうじゃないか』


ネコに促され、結界解除に取りかかる。

もう一度コノンを見て、固まった。


ゴーレムがこっちに歩いてきていた。


あれ?これ運が悪けりゃ潰されないか?

下手したらコノンも。


慌てて魔力の流れを見て、追って、全ての流れがメノウへと集まっているのを確認。正確には、メノウの胸元で揺れるペンダント。

なんということでしょう。

この結界。あのペンダント(核)を破壊しないと解除出来ないらしい。


無言でネコの横に並んで、収めた剣を再び抜いた。


『ライハ?』


「あの胸のペンダント破壊しないと解除出来ないらしいから、いくら可愛い姿してても手加減無しでやるぞ、ネコ」


「どーしたの?珍しいね!」


ネコが本気で驚いた顔をしていた。

確かにオレは敵でも美人や可愛いとちょっと手を抜きそうになる。(実際抜かないが)

そこでオレはネコに後ろを指差した。

そこにはこっちにまっすぐ歩いてきているゴーレム。


悟ったらしいネコ。


「いくぞ!」


『うん!』

















炎が薄まり、いつの間にか景色が一変していた。

何処までも続く灰色の砂地。いや、これは灰か?


その所々で炭になった木やら物やらが転がり、火を吹いている。


暑い。


「これは、どっかに移動したとかでは無さそうだね」


汗が流れる。吸う空気が薄く、熱い。


『ここは特別な所。ようこそ、サラドラの世界へ』


「!」


飛んでくる音が聞こえ、そちらの方に目を向けると火の塊が幾つも降ってきていた。飛び退いたところに突き刺さる炎の槍が灰を舞いあげる。


「っ!」


触れた灰すらも熱い。


空からゆっくりと降りてきたサラドラが笑う。

全身が炎に包まれ、触れた瞬間に普通の人なら大火傷で死ぬだろう。


『お前が悪いんだぞ。本当なら、あの男をこっちの世界に閉じ込めてなぶり殺す予定だったのに。まぁ自業自得って事で、大人しく殺されろ』


火が吹き出し襲い掛かってくる。

カリアはすんででそれを回避し、走り出す。


『なに?逃げるの?逃げ場なんて無いのに!』


カリアは駆ける。今持っている剣では距離も足りない上にきっと太刀打ち出来ない。

何か無いか?

あの炎を貫通出来るほどの長さと強度を持つ、武器。


横に飛ぶと、今までいた所が炎に包まれる。


足が灰に取られ、体制が崩れそうになる。着いた右腕に激痛が走る。此処に来てから、呪われた部位が激しく痛んだ。侵食が進んでいるのか?

ニックによって彫った封印の魔方陣によって痛みもマシになっていたが、それが再び復活したようだ。


『ばあ!』


上からサラドラが降ってきて翼を広げて包み込んでこようとしていた。


「しっ!」


不安定な足場で何とか踏み込み、包まれてなるものかと拳を突き出した。

サラドラの体がカリアの突きで生み出された衝撃波で半分吹き飛んだ。キョトンとしているサラドラの空いた空間を跳んでさらに駆ける。


『うわぁ、お前嫌い』


体が復元していく。その間サラドラは、先程までの笑顔を引っ込め、嫌悪感を露にしていた。


カリアは突き出した右腕を抱える。

渾身の力で振るったせいでヒビが広がった。

悲鳴をあげることは堪えたが、危うく腕が千切れる所だった。


「危なかった。気を付けないと」


これでわかった。

ルキオ戦と同じように戦えば、多分あと二発程で千切れる。


カリアが視線を滑らせ、地面に突き刺さるモノを見つけた。


ソレを掴み向き合う。

柄を掴んでいる掌が焼けている。


大剣だ。

形状からしてドルイプチェの剣士が持つ物。


『死人の武器で対抗するんだ?やってみなよ!』


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