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INTEGRATE!~召喚されたら呪われてた件~  作者: 古嶺こいし
第七章 力を持つモノ
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決戦前.8

文章が抜けてた所発見!!

訂正しました!!

この魔方陣をみて、顔色を悪くしているのは二人。センスがないわねと呟くのが一人。

上記がオレとニック。下記がカミーユである。


「……魔方陣?しかし、こんな大きさ、発動できるものなんですか?」


シラギクが恐る恐ると訊ねる。

そうだ。そもそも魔方陣は一本でも線がないと完成せず、膨大な魔力が必要となる。


だが、オレは覚えている。

あの時の魔方陣を。


あの時の魔方陣は周囲の魔力を集めて何処かへと流していた。

方向も覚えている。これは、オレの使う魔力で魔方陣を完成させる方法を使っていた。


「なぁ、ライハ。覚えてるか?俺を助けたときの魔方陣」


「うん」


「消した筈だよな」


「……うん」


ちゃんと停止させた。

あの後洞窟は埋まり、再び描き直すのは骨が折れるだろう。


なのに、あの村の魔方陣を示す赤い点が発光していた。


「こいつは初代勇者が使った封印術を応用したものだ。魔力で魔方陣を描き、自動修復させる。この魔方陣の厄介なところは、この周りの小さい魔方陣、こいつが万が一用に配置されてた修復用の情報を絶えず流してきていることだ。魔力付きでな」


「……それって、つまり」


「一旦停止した魔方陣でも、長い時間を掛ければ再び甦らせれる予備情報源だ。全く念には念を入れてるぜ。この魔方陣、鷲の爪にばら蒔いて複製してやがったんだ。とんでもない計画だよ…、さすがの俺でも、ユエも、後輩のフリーダンさえ感付かせないほど秘密裏に動いてた。どうやってセンサーをすり抜けてたんだか……。魔方陣近くの裂目に蓋して出られないようにして回ってたんだけどなぁ……」


椅子でずり落ちるような体制で顔を押さえている。

ほんと、とんでもない連中だよ。


今んところ人間側はやられっぱなしだ。


「でも、終わったことはもういい。今さら嘆いたところでどうなるわけでもない。今後の参考にはなるだろうが、まずは目先の問題解決が最優先だ。よいしょ」


アンノーンが座り直す。


「これからの計画を伝える。実は俺達観測者も独自に動き、協力を仰いでいた。まずは、巨人族と、氷竜族」


コツンと丸石が二つ置かれる。


「そんでアギラの竜族」


南の海上に一つ。


「……よく同盟組めたわね……、あれ?じゃあ、グレイダンなんで呼ばれたの……?」


キリコが思わず南を見る。

確かになんで呼ばれたんだろう。


「で、ルキオの主と海の主」


「!!!?」


アウソが椅子を引っくり返す勢いで立ち上がった。

何だ!?


「………謁見、できたば」


「まー、色々あったけど。何とか協力を得たよ…、ルキオも大変だな、ともかく“カゴ”を少し解放してくれる約束が出来たから、魔法使いや精霊と縁のあるものは戦いやすくなるだろうって、凄いねあの人。ちょっと怖かったよ…。問題はこの国の罠と結界の解除だけど。あ、座って座って」


アウソ、着席。

凄く複雑な顔をしているが、そういえばオレあまりルキオについて知らないんだよな。アウソも何か突っ込んで欲しくなさそうな雰囲気だし。


まぁ、機会があったら訊いてみよう。


「で、えーと。あ、そうそう。あと煌和」


「直接、協力、してくださるんですか?あの方達が?」


シラギクが驚いている。そして、カリアも。


「あの人達が出て来てくれるのなら、文字通り百人力だね」


「何故か積極的に協力してくれたよ。何でも贔屓の子の味方をするのならいつでも手伝うって。誰だか分からないけど」


コツンとまた石が一つ置かれ、地図上に石が五つ揃った。


「さて、さっきの話しに戻るけど、あれ、解析した結果、魔界ごとこっちに転移してくるつもりなのね。でもそんな魔力を何処で手に入れるのかって、話し。答えは簡単」


今度は青いペンで残った小さい方の赤い点を繋いでいく。すると、ホールデンを中心に、転移魔方陣よりは小さいが、周辺国を巻き込む程の“見たことの無い”魔方陣が出来上がった。


「──ここの住人の命を生け贄にすればいい」


アンノーンはさらりと言ってのけた。

冷や汗が伝う。


「生け贄の仕方は簡単だ。戦争で出た被害者の魂をすかさず魔方陣で捕らえて蓄え、ついでにこの国に張られた結界の魔力ごと反転させてやれば、こっちの世界の住人の体内魔力は一気に毒となり、死に絶える。気付いてない?この国には精霊がいないの。あれ、なんでだと思う?」


そういえば、ホールデンに入ってから全く見掛けない。

ネコを見ても、確かに居ないと首を振った。


「精霊なんてものはエネルギーの塊だからね。ホールデンの結界に触れた瞬間喰われてんの。バクンと、発生させた魔法ごと。見たこと無い?」


脳裏に黒い壁が思い浮かぶ。

確か、アレも、精霊ごと魔法を喰った。


「とまぁ、そんな見えも触れもしないくせに確実に存在している巨大な結界がホールデンに張り巡らされている。だけど、罠はそこじゃない。スイッチは首都の結界だ。知ってるか?あと一週間程で、防衛軍のホールデン首都へと進軍が始まる。その軍が、首都に到着した瞬間、全ての魔方陣が発動して奴等はこの戦争を終わらせる気だ。


何が起きたのかも分からずに死に絶える。


人はほとんど残らない。一気に蹂躙されて、ここは第二の悪魔の世界と化す。それがやつらのシナリオ」





──ダンッッ!!!!




思い切り机を殴る音で思わず肩が跳ねた。


レーニォだった。


「まだ、奪い足りへんのか……っ!!」


恨みの目だ。


「だから、それを食い止めるんだって。いいか、俺達だってその時まで指を加えて見てる訳じゃない。手札が無い訳じゃないんだ」


トントンと、ホールデンの城を指差す。


「神から良い知らせが届いているんだ。これは、悪魔のシナリオを引っくり返せるだけの手札だ。嘆くのはまだ早い、最後まで見てから嘆けって言うだろ? 勇者くん」


「! はい」


「君の仲間の体を持っていかれたと言ったね」


「…はい、そうです」


ニヤリと笑うアンノーン。


「これからとある人物に会いに行くんだけど、ちょっと付き合って貰えないかい?」

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