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戦場へ.1

諸事情で更新が不定期ですが、出来る限りは更新します

ノースラーン大陸の西部の大部分を占める大国がある。その名もリオンスシャーレ国。元々何もない平地が多い所に色々な国の人が移り住み、今じゃすっかり多民族国家となっている。そのリオンスシャーレ国南部で悪魔との激戦が繰り広げられていた。


一月半前、ルツァの大群によって街が五つ地図上から姿を消した。急ピッチで設立された防衛軍とギルドが一丸となって抵抗しているが、ルツァ相手だ。こちらの被害の方が多い。


そんな中、南へと向けて目を疑う速度で駿馬で駆ける者達がいた。


防衛軍一狂った連中が集まった部隊、遊撃隊である。


「ライハ!前方五km先にルツァ5体。ノーマーク。形から見て大角猿の亜種だ!」


隣で走るラビが光彩魔法、遠眼鏡代わりのホークアイを発動し、標的を確認。周りにハンターも防衛軍も居ないところを見るに、どっかしらの網を抜けてきたらしい。


「前方にルツァ級の標的五体を発見した!!先制攻撃を仕掛ける!!一体はオレが仕留めるから残りの4体を各班で撃破せよ!!」


「はっ!!」


後ろで4つに分かれた班が、それぞれ標的を決めると攻撃体制にはいった。オレは標的の中でも一番やばそうな個体を見付けると、雷の矢をつがえる。


『ネコもやりたい』


「今回はオレの番。さっきあげただろう」


『ちぇー』


ネコにやらせたら一体どころか全滅させてしまう。それじゃあ皆の経験値になら無い。


ちゃんとした実戦は久し振りで心踊る。二ヶ月間は睡眠時間も削って全力で皆を鍛えたので相当疲れとストレスが溜まっていた。

それを今、発散できる。


口角が上がるのを抑えきれない。指から解き放たれた雷の矢は弓の部分を巻き込んで倍増し、一筋の光となって飛んでいく。それが合図だと言わんばかりにライハの両隣、4つの班の魔力が高まった。


「火焔、長距離型砲撃魔方陣用意、撃てっ

!!!」


ラビの鍛え上げた魔術師達が手に持った魔方陣が眩い光を放つ。


先程放ったオレの矢がボス格の大角猿の額に直撃し、そのまま後ろへと倒れる。異常に気付いた他のルツァ達の意識がボスへと向いた、次の瞬間、火焔魔法の高速火球が次々に残りのルツァに襲い掛かる。


悲鳴を上げるルツァ。


「怯んだぞ!!行けー!!」


「おおおー!!!」


駿馬から飛び降り、剣を振りかざしルツァへと突撃する。まるで一つの生き物のようにどんな攻撃でも素早く対応し攻撃方法を切り替える。

ご覧ください。ものの数分でルツァ5体が地面に横たわっております。


「……カリアさんもこういう気持ちだったのかな」


目の前で勝利の雄叫びを上げる隊員達を眺めながら思う。時折カリアもオレ達だけで狩りをさせた時、後ろの方で静かに見守っていたことがあった。


「ライハのお師匠さんだっけ?」


「そう。化け物かってくらい強かったよ」


「今は?」


「ルキオで連合軍の指揮とってる」


「半端ねーなその人」


隊長になったお陰で色々な情報が飛んでくる(文字通り)。それによると現在戦場になっているのはルキオ国とリオンスシャーレ国南部と北部。雲行きが怪しいのがハシ国とウヴラーダ国東部だ。どうもルキオに上陸出来なかった奴らが流れてきているらしい。

しかしハシとウヴラーダは獣人(ガラージャ)族の国で交流があまりないので情報が乏しいのが辛い。


こういう時ウレロとベルダーと連絡が取れればなと思うが、残念ながら二人の居場所は不明である。生きているとは思うが、油断すると簡単に死ぬこの世界だ。オレも隊長になったからといって慢心してはならない。


「隊長!討伐完了しました!」


「よし!先を急ぐぞ!」


総員駿馬を乗り、走らせた。目指すはリオンスシャーレ南部の激戦区、イリス地方だ。

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