隊長!.4
魔術。
項目は魔力量検査。属性検査。魔法検査。魔法操作。
となる。
「まずは流派を調べさせて頂きます」
流派。頭のなかでこの世界にある流派を全て流し当て嵌めたが該当がない。そもそも詠唱も出来ない上に、研究家のザラキも流派は無いとか言ってたな。
「……ほぼ自己流です。少しだけギリスのが混ざってます」
「出身はギリス?」
「いえ、不明で。ずっと旅をしてました」
「ああ、訳ありね。了解しました。それではこちらの玉に手を触れてください」
真っ黒の水晶玉に触れる。
「そこから本気で魔力を練り上げてください。発動はしなくて結構です。本気でどうぞ、この水晶玉はうちの魔術師でも問題なく測れますので」
「わかりました」
と頷くも。
「(ネコ本気でだって。オレ本気だしたらヤバくない?ただでさえエルファラの魔力上乗せしてるのに、何処までオレの魔力なのかもう分かんないんだけど)」
『(取り敢えずなんかヤバそうだったらセーブかければ?ネコもブレーキ掛けつつするから)』
「(ありがとう)」
ニックとの修行や魔法戦で改めてエルファラから渡された力がとんでもないじゃじゃ馬なのが判明したので、出来るだけ気を付けながら出力を上げていく。
すると真っ黒の水晶玉に光が点り、大きく広がっていくと、光が赤紫から赤、オレンジ、黄色、黄緑、緑、青緑、水色、青、紫、白とくるくる色が変わっていく。
「おもしれぇー」
子供の頃の知恵菓子を思い出した。
だが。
──ビシッ……
「あれ?」
水晶玉にヒビが入った。
「失礼しました!!お怪我はないですか!?」
「え、はい」
突然の大声に驚いて手を離してしまい、色が黒に戻る。どうやら劣化してたらしいヒビが入ってたのを知らなかったと言われた。良かったオレが壊したのかと思った。
すぐさま新しいものに変えられ測ると、今度はヒビが入りはしなかったが図る人が首を捻りながら凄い変な顔をしていたのが気になった。
「次は魔力操作です」
これは簡単だった。ニックの奴に比べれば全然。
物は同じだが、回転直角ギザギザが規則正しく並んでいる物で、比べてみてニックのがどんだけ難易度高いのか分かった。あれ法則性無いし、本当にムカついた。
「属性検査です」
使える魔法を発動するというもの。
今んところオレは色々練習しまくって普通に使えるのが雷と氷。レベル1みたいなのが火、水、土。レベル2みたいなのが風という感じになった。
治療魔法はなし。
「魔法検査です」
次はどのくらいの量の魔法が使えるのか。ハンター表記なのでそこまで使えないと思ってたのか、オレの使える魔法の一つ陣魔法は使えるのが多すぎて処理しきず、最終的に。
「君が一番使える魔方陣はどれだ」
と言われ、冬山で活躍した魔方陣と改造した魔方陣を出すとまたもや不思議な顔をされた。その顔やめて。
次に使える普通の魔法を発動させる。
といっても放電と地面凍結くらい。加減を間違えて地面を戻すのにお湯を持ってきてもらって申し訳ないことをした。
「さて、次は体術か」
内容は軍人の一人と手合わせ。
「初め!!」
軍人の人が何処かの武術で攻撃してくるが、伊達にカリア達と旅をしていたわけではない。
「せやっ」
キリコ直伝の足掛け風車というオリジナル技でもって軍人はまるで風車の様に体が一回転し、受け身を取る間もなく地面に背中を打ち付け、素早く腕を封じながら馬乗りになると拳を顔の横に振り下ろす。
終了。
障害物走。
移動魔法でどっかの山中に置き去りにされた。
事前に渡された地図を見れば、どうやら此処から目的地に行けということらしい。走って。
「ザラキさん思い出すなぁ」
あの山中シャトルラン。あれよりも全然緩いけど。
「さて、いくか」