表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
381/745

『対話』.6

拝啓、オレに付き合ってくれているお仲間さまへ。今回、オレが見事に悪魔の能力に踊らされて乗せられ流された結果、大変な力を手にしましたが、その代わり今まで以上に魔力がじゃじゃ馬になってしまいました。例えるならばダンプの容量と消防車の放水の威力を手に入れた感じです。

え?分からないって?

そうですね、もっと分かりやすく言うならば、鉄砲水の水力と威力を手に入れた感じですかね?わかりますか?これ。

どうやらエルファラはオレへの侵食を止めてくれた代わりに、全ての魔力をオレに丸投げしたようで全然魔力が言うこと聞いてくれません。振り回されっぱなしです。


「……………………しぬ……」


おや?彼処の地面に突っ伏しているボロ雑巾に似たのは何でしょうか?

正解はオレです。


只今せっかく覚えた魔力操作がおじゃんになったことが判明してしまい、ニックにしごかれています。


内容は、魔力の撃てる回数を上げて、まずは出力に慣れさせること。それが終わってから様々な修行のやり直しをさせるそうです。


「……………………しぬ」


「こうなった原因は誰だ?」


「…………オレです」


「だよな? じゃあ頑張るしかないな」


「……………………」


無事(ではないが、)『対話』の儀式が終わったので先にノノハラ達が帰還し、この神の残した空間で出来るまでオレは閉じ込められている。何でも、次元がずれているので、時間の流れも違うそうで、出来るまでやっても調整すれば外時間1日以内に戻ってこれるとか。さすが神、意味が分からない。


『……ネコ、ライハがまたやらかさないようにもう少し練習してくるね』


そしてネコのオレへの飼い主としての株が少し下がったらしく、反対側で素早く影に潜り込む練習を始めていた。こんな情けない飼い主で申し訳ない。


「はいもういっかーい」


「うぎょぉぉー…………」


もはや蛙のような声しか出ない。

しかしこうなった原因はオレである。これがほんとの自業自得ってか。


壁は神の力とか何とかでいくら破壊しても生えてくるから遠慮はいらないらしいが、その前にオレの体が持たない。分かるだろうか、この、一発撃つだけで全力疾走した後の様な怠さ。ここ最近は息切れすることもなかったので正直しんどいです。しかし回復した瞬間ニックから指示が飛んでくる。


「はい次」


「ふぅぅぅー…………」


それでも、50回は越えた辺りから少し慣れてきたのか二発撃てるようになり、150で三発。はははは、これいつになったら戻れるのか。
















初め、ノノハラ達しか戻ってこなくて困惑していたら、ライハは新しい力を手に入れた代わりにまたしても制御不能になったらしいのでしばらくあちらで修行して来るらしい。それでも日が出る前には戻るらしいが、そんな短時間で修行して何か変わるのだろうか。


アレックスがクワァと隣で欠伸をしている。


何でこいつはこんなにも能天気でいられるんだと思ったが、リーダーと言うものはこのくらいの気構えの方が良いのかもしれない。


「じゃあ私達は先に戻っています」


ノノハラ達が去っていく。

あいつもライハの仲間というのだろうか、同じ時に召喚された勇者と聞いたが。


「…………、まぁいいや」


考えるのは後にしよう。まずはライハが戻ってからだ。








そこから数時間後、ライハが戻ってきた。げっそりして。


「大丈夫か?」


心配で声を掛けたら、ライハが顔色悪いままグーサインを出してきた。ネコも何だか心配そうにしている。

本当に大丈夫か?


思わず付き添いのフリーダンとニックを見ると、ニックがにこやかな笑顔でこう言った。


「使えるようにはした」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ