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『対話』.1

次の日、オレ、フリーダン、ニックで集まり話し合いを開始した。内容は、オレのこの魔力を使うと出てしまう甲殻の件について。


「原因は分かっているんだ。魔力融合が強い悪魔が、前は制御(リミッター)()されていたのが、破壊されたためにそのまま出てきてしまっている」


「………」


もう少し良い表現なかったのだろうか。

ニックの説明にフリーダンも悩む。


「でも一度壊れたものは元には戻らないわ、仮に治せてもすぐに外れるだろうし」


「追加情報で。今回のやつで何にもしてないのにじわじわ広がってました」


「……甲殻の癖が体につくのも良くないわね」


「かといって常に側にいられねーし。魔力を止めたら何が起こるか分かんないし」


『ネコ死ぬー』


「呼吸してるだろ、頑張れよ」


『形はこっちだけど、精神は本体(ライハ)にあるから』


「そっか」


ならしょうがない。


「魔力はもう操作(コントロール)は完璧なはずだ。何せこいつは出力調整、形状変化、属性即変化に加え、巻き込みや氣の扱いまでマスターしてた。普通魔術師でも出力、形状、属性の部分までしか習わねえ。ここまでやって無理ならもう他の方面からアプローチするしかない」


頬に手を当て困った顔をしたフリーダン。


「なら、もう残された奴は“アレ”しかないけど、………今は禁術だから人に見付かると厄介ね……」


「うーん」


腕を組み考え込むニック。


(………禁術?)


挙手した。


「あの、禁術って?」


「ああ、禁術ってのは大昔は使用されていた魔術や禁術だが、あまりにも危険、もしくは使用者、術者に相当の対価が発生する為禁止されたものだ。見付かったら罰せられる。中には死者を兵士として甦らせるものもあるし」


「生き返りとかじゃなくて?」


「? 死んだらそれまでだろ? 体と魂と魔力に分離して体は地に、魂は天に、魔力は世界を巡回する。始まりの巨人すらそうだったし、死ににくくする魔法はあるけど、生き返すものはない。だいたい生き返っても外がその人でも中がその人なのかわからないだろ?」


「………ああ、なるほど」


何いってるんだ顔をされた。

確かにこの世界で死者を生き返す魔法を見たことないな。確か前、死者を儀式で甦らせたら、中身は魔物だったって話があったな。


「この世界はその考えが一般的だから、死んだらタンポポの綿毛が風に乗るように自然に散るのよ。貴方の世界では確か49日留まるって聞いたけど、それは流れが緩やかで個が強い所為よ」


フリーダンが魔力を使ってタンポポの綿毛が飛んでいく図を再現してくれた。


「へぇ。そうなんですか。トリビアだ。あ、じゃあ、その禁術を使えばこの甲殻は治るんですか?負担が大きくても無くなるのならいくらでも我慢しますよ」


「……いや、なんというか、考え付いた魔術は『対話』の魔術なんだ」


「対話?誰と?」


「お前の中にいるネコ以外の悪魔」


「…………ネコ以外にまだいるの?」


頷くフリーダンとニック。

だいたいの奴はもう吸収してなじんだと思ったのになまだいたとは。しぶといやつめ。


「角だとか甲殻はそいつのものだ。多分封印される前は相当の力の持ち主だったんだろう。そいつと対話して何とかこう…協力関係になれれば問題は解決すると思う」


「問題は対価ね…。悪魔や魔物と契約するときは労力に見合った対価を差し出さねば結ばれないから、力の強い悪魔となると何を請求されるかわからない」


「………ん?ネコもなんか対価結んでたっけ?」


顎に頭をのせるネコに訊ねてみた。


『……んー、と、確か魔力の共有、命の共依存、とー、えーとあとなんだったか。忘れた』


大事なことだろ忘れんなよ。

てかいつ結んだし。


「とにかく禁術に通じる奴の知識を得たい。後は人目につかないところ…」


「あ! 禁術関係で一人いるわ!まってて!」


フリーダンが笑顔で出ていった。禁術関係って不味いんじゃないの?


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