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一年越しの

「解放感パネェ」


『ぱねぇー。ってなに?』


「半端ねぇ」


『なるぅ。ぱねぇー』


物凄く痛かったけど、それはもう仕方ないと諦めてるから、痛みの後の解放感を楽しんでいる。甲殻が無いから人目を気にせず肌を晒せるのがどんなに素晴らしいことか。当たり前の事がこんなにも幸せ。


「英雄さん怪我治ったのか、良かったな~」


戦闘中見かけたハンターが駆け寄ってきた。


「はいお陰さまで、あとエイユーじゃなくてライハです」


「またまた、英雄さん達の活躍があってこそ勝てたんですから。それでは!」


手を振りつつ去っていく。


「あれ、もしかして英雄ってパーティーだと思われてる」


『英雄パーティーって凄い名前だな』


「うん」


本物の元英雄がフードの中にいる時点でだいぶおかしいがな。


そのあともすれ違ったハンターや魔術師に英雄さんと声をかけられ、オレの知らぬ間にとんでもないパーティー名が付けられていた。


オレとアレックスのパーティー違うんだけどな。

いいのかな、これ。


「ライハー!いたいたー!」


「ガルネットさん」


プチ見回り途中、ガルネットがちょっと来てくれと呼ばれた。どうやらフリーダンが呼んでいるらしい。


「なんだろう?」


『さぁ?』


見回りをガルネットと交代してフリーダンの元へと向かった。








テントに入ったらフリーダンの前で項垂れたニックがいた。もしかしてお説教中だったか?回れ右をしてそーっと退却をしようとした。


「ライハくん大丈夫よ、こっちは終わったから。ね?フォウ」


「…………へい」


「あの、ニック大丈夫?」


「……大丈夫大丈夫」


大丈夫に見えない。

明らかに今のニックは飼い主に説教された犬状態だ。


「ちょっと会わせたい人がいてね、着いてきてもらえるかしら」


「はぁ、いいですよ」


ニックが背後で深い深い溜め息をついてる。

後で慰めよう。ピートンも心配そうに見上げているし、ネコもそんなピートンを見てソワソワしている。


「ネコ残ってて良いよ?」


『ううん、行く。ライハ一人だと心配だし』


「信用がない」


フリーダンの後を付いていく。キャンプ地を抜けて進んでいくと、大きな岩の裏側からあの白黒の魔力バチバチが現れた。それにビビるネコ。オレも唖然。

こんなにも主張の激しい魔力見たこと無い。


「着いたわ。さ、出てきて良いわよ」


フリーダンが呼び掛ける。

すると、岩の裏側から紫色の髪の男性と、ピンクの長髪を緩く纏めた女性が出てきた。背は女性にしては高い方で、服は白いマントを羽織っているが、それよりもかっちりとした軍服が似合いそうな。


そこまで考えて、ハッとした。

その女性は見覚えがあった。


一年ほど前、同じく召喚された勇者。






「ノノハラ?」






「そうです。久しぶり…」



気まずそうな顔をしながらも、ノノハラは精一杯に笑みを浮かべた。


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