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魔力操作.2

「ああああーーー!!!できないーーーー!!!」


ビックリするくらい出来なくて頭を抱えて叫んだ。

時刻はもう夕方で、アレックスとネコはボロボロの状態で大地に仰向けに転がり、青春を謳歌していた。


「ははは、やるじゃないか」


『お前もな』


なんて清々しい笑顔でお互いの勇姿を称えあっていた。


一センチも進まない。

しかも何か細工でもしたのか、ニックがやった形状とは違うものになってしまっていた。暗記防止か、徹底してやがる。


『ライハは何叫んでるの?』


しばらく球体を睨み付けているとネコがやって来た。


「これが…できないんだ…」


泣きそうになりながらも説明すると、ネコが『面白そう』と尻尾の先を糸に変化させて穴に突っ込んだ。数秒後、もう一つの穴から出てきた。


「……なんで?」


『これ面白い』


「何してんだい?」


そこへアレックスも合流。

同じように説明しやってみようとしたが。


「そういや俺魔力あんまり見えないから糸作る時点で無理だね!いやー参った参った、アッハッハ!!」


アレックスは初っぱなから撃沈していた。


「どうやったの?」


せめて参考になればとネコにコツを訊ねてみたが。


『んー、なんかヤバそうな感覚避けながらやったら出来た!』


とのことだった。ヤバそうな感覚は恐らく神聖魔法の事だろう。洞窟を抜けるように操作。ヤバそうな感覚避けながら操作。どっちが向いているのか知らないが、両方とも細かく操作して、なおかつ魔力の先の感覚を感じ取っているってことだよな。


「うーーーーん……」


魔力の先の感覚。特に意識をしたことはなかったかも。


雷も基本、ある程度操作はできたけど出力の調整と、着地点を定めて道を作ること位しかしてなかった。雷は点と点を用意すれば、自然とそこに向かおうとするからだ。出来るだけまっすぐ、最短距離で。


風なんかは、魔力を出して、あとは方向を定める位。氷は特にない。今んところ凍らせることしか出来ていない。でももしこの操作が上手くいけば、出来ることが増えるって事だよな。氷で何が出来るのかわかんないけど。あ、結界が張れるようになるかもしれないのか。


ん?じゃあ結界を詠唱無しでやっている連中はどう魔力を使っているんだ?てかそもそも詠唱ってなんの役目なんだ?


『あー、始まった』


「球見詰めながら動かなくなったけど、大丈夫?」


『ダメダメ。考え込んじゃった。ライハって一旦考え込むと長いから、最近は無かったんだけど旅の初めとか覚えること多くてたまに一人でブツブツ言いながら考え込んでいたんだよ。こうなったら思考がウロウロし始めるから、一回ご飯休憩に行こうよ』


「そうだね。空腹過ぎてお腹が背中にくっつきそうだよ。おーい、ライハ。考えるのは後にして先にご飯を食べよう」


アレックスにゆさゆさ揺すられ、強制的に思考を停止させられたオレは、アレックスとネコに引きずられるようにして宿屋に戻った。

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