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全力疾走

「じゃあ、気を付けろな!」


門の近くまでクウカクに見送られ、オレ達は出発した。


「ネコー!またねー!」

「今度は勝負しよう!」

「人間のにーちゃんもばいばーい!」


そして子供達も。

手を振っていると、キリコ。


「あんた動物に嫌われるのに子供には好かれるのね」


「そうなんですよねー、なんでですかね?」


「アタシに聞かれても困るわよ」


オレとしては是非とも動物にも好かれてくれると最高なんだがな。子供はあれだ、弟たちが居たからだ。多分。


「これからは殆ど駿馬をかっ飛ばすからね。街はあまり無いから、怪我をしないように。あ、それと、ケンタウルスから喧嘩を買わないこと!」


「来たよケンタウルス」


次に向かうのはモントゴーラだ。あの朱麗馬の出生地。そしてケンタウルスのいる国。


「次は会わないと良いなぁ」


キリコが遠い目をしてる。何だかんだ言ってキリコは被害を受けている率が高い。何でだろう。


そんな中、アウソがソワソワしていた。


「どうしたん?」


「最近俺達の駿馬って速いじゃん」


「うん」


結構ふざけた速度出しますよね、この駿馬達。

走り方も普通の駿馬とは微妙に変わり、文字道理飛ぶように走る。足が地面についてるのか心配になるほどだ。


「朱麗馬、並べるんじゃね?」


「! それは確かめたいな」


「だろ?」


「もしいたとしても駄目よ。あいつら止まれないんだから、大惨事になるよ」


「ちぇ」


アウソが残念そうに舌打ちするのを聞きながらオレは考えた。

どんな大惨事だ?事故るって事かな。













モントゴーラの大草原を駆け抜けること二日目。街などを避けて走行しているのか建物の影が見えない。


駿馬達は喜びまくって全速疾走しそうなのを抑えつつ国を横断していると、右側に何やら影が。


そいつらは人の形をしていたが、下は馬だった。


「ケンタウルス!!全力疾走で駆け抜けるよ!!」


影を見つけるや否やカリアが号令をかける。

面倒な連中には関わらない。これが一番だ。


「いけっ!」


全力疾走の許可を出すと、四頭の駿馬は嘶き、一気に加速した。それはもう自転車のギアをマックスに変えたときのような加速っぷりで、右側にいた影は一気に遠ざかる。


しかし、彼らも何かを話ながら走ってきた。手に弓矢をもって。これ止まったらダメなやつだ。


さすが下が馬なだけあって長い間着いてきていたが、速さで敵わないと悟ったのか足を止めた。


先程のはケンタウルスの山賊だ。

この辺は多いらしい。




そこから先はまた二日間殆ど全力で走らせ、走るのを緩めたのは、モントゴーラの隣にある国、イリオナの国境が見えてからだった。

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