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素材を集めよ!.21

「えー、今回の依頼設定のランク、魔物による被害からの算出した危険ランク、そして稀少性も合わせて…………、ざっとこんなものかと」


スコットに見せられた金額を見て思わず口笛を吹きそうになった。


吃驚するくらい高額。

こっちが、え?いいの?こんなにいいの?と恐縮してしまうほどの金額だった。


「いいんですか?この値段」


値段が値段だけに応接間に呼ばれて説明を受けているのだが、それでも自然と声のボリュームが小さくなっていた。


「絶滅した魔物を見付けたようなものですからね、危険ランクでしたし。これくらいが妥当です」


説明によると、魔物は腐りにくいように魔法を使って冷凍保存し、そのままウォーローの本ギルドへ搬送され、そこから更にギルドのそう本部へと、そして調べ尽くしてから全国のギルドへと情報を流すらしい。

今思ったけど、ギルドって世界各国にあって情報網凄いよな。こんな電話もない世界なのにとか思ったが、ここには電話は無いけど、移動魔法を改造したファックス的な物があるらしい。ただしそれは本ギルドにしかないので、そこらにあるギルドは同然虎梟での連絡だ。落差凄い。


「では、それで」


「結構な大金なので、どうしますか?全額換金するか、もしくは記録からその都度落とすか。最近パルジューナから高性能な魔具が支給されたので、誤差はほぼないと思われますが」


「どうする?」


「結構重いから分けた方が良くないですか?」


「オレの渡した石も換金してないですし、そんなにたくさん持っててもって感じはしますけと」


「確かにそうね。じゃあ半分を換金で、残りは記録でお願いします」


「畏まりました」


ギルドにはこういった銀行的な便利なものがある。ランクを登録証の中に記録しておくように、お金も記録しておけるのだ。ただし、一般のハンターは持ち家があるので家で管理すればいいし、フリーハンターも基本は持ち歩く。

そのなかでも、大金を持ち歩きたくない、定期的にギルドに寄る場合のハンターが利用するものなので知名度はまだ低い。


出来たのもここ数年らしいし。


「どうぞ」


スコットが言われた金額を袋にいれてカリアに手渡した。


「ありがとう。これであの森は好きに行ってもいいんですよね。……一応森の中で亡くなってる方が大勢いたので、報告をしておきます。近くの村には伝えたのですが、何分損傷が酷くて判別ができないのがあるので」


「ありがとうございます。そちらは後日森へ赴き、ハンターの照合を行いつつ埋葬をいたしますので」


これからギルド長は大忙しだ。何せ骨になったハンターがもしこのギルドの所属ハンターなら、そのハンターの家族に報告をしなければならない。ハンターは独身が多いが、家族がいる者もいる。


身元がわかるなら、伝えなくてはならない。


「それでは、これで」


「また何かあれば、是非ご利用ください」


スコットに挨拶をしてギルドを後にした。本当はアーニャにも挨拶をしたかったのだが、生憎アーニャは次の試験の為に留守にしていた。

残念だ。








翌朝。

太陽も登りきる前にオレ達はタキオトシの森へと出発していた。


驚異が無くなったことによって、立ち入り制限が解除されたので、色んな人達が森へと入っていく。

そうするとリストにある稀少な物が先に採られる可能性があるので、その前に誰も入らない時間帯に手にいれとこうという算段だ。


それに、強い魔物がいないので、駿馬で乗り込める。

最近こいつらはかなり筋力がついて、瞬発力、動体視力共に向上しているらしく、小さい魔物なら普通に追い掛け回して噛み付いたり蹴り飛ばして撃退出来るようになっていた。


そのうち、駿馬と一緒に魔物戦をする未来も近いかもしれない。







『うっひょおおおおおおお!!!』


「さーあ!!採るわよーーー!!!」


森に入った辺りから前方でテンションを上げまくって楽しそうなキリコとネコを眺めつつ、干し肉をかじる。

眠い。驚くほど眠い。


起きるときは、ぱっちり目が覚めたのに、森に入った位から急激な眠気に襲われていた。なんだろうなこの眠さ。昨日粒子モード連発していたからかな?

きっとそうに違いない。


『ねぇ!ねぇ!あれじゃない!?』


「ほんとだ!!なんて良いところに!まさしく飛んで火に入る夏の虫だわ!!」


キャーと女の子が発しそうな声を上げ掛けてるキリコの視線を追うと、黄金の鹿の角を持つ毛むくじゃらの塊がいた。


「行ってくるわね!ほらネコ!アウソ!ライハも行くわよ!!」


「行ってらっしゃい」


毛を寄越せと剣を片手に突っ込んでいくキリコを見守るカリア。そして、キリコに連行されていくオレ達。


そんな感じでキリコとネコは終始テンション高く素材の獲物を追い掛け、アウソは黙々とリストの石を街で購入したツルハシで掘り出し、日が登りきったあたりからようやく眠気が去ったオレは、リストの木を探し回っていた。


そんな中カリアは魔物を狩ってお昼ご飯の準備をしていた。お母さんか。何でも、しばらくはキリコに獲物を譲るんだと。


そして夕方頃。


「揃ったわ。ふふふふ、これでようやくだわ!」


リスト全ての素材が揃った。


食べれるものは解体して食べたり、食べきれないのは周辺の村に配って置いた。


さて、あと少しでオレもあの街から解放されるぞ!!

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