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素材を集めよ!.6

屋根の上から様子を伺うと、追い掛けてきた男とその仲間は肩を落としながらギルドへの道を戻っていった。何なんだよもう。


姿がしっかり見えなくなると、ようやく伏せの視線から身を起こした。


「アーリャもちゃんと逃げたみたいね。よっと!」


カリアが音を立てずに飛び下り、オレ達も出来るだけ音を立てないように降りる。


「(ネコ、気配とかある?)」


ネコがきょろりと辺りを見回す。

ネコは耳が良い。それに少しずつ気配察知の練習も始めているようで、悪意をもつ奴を見付けるために練習している。オレも見えにくいモノを見るすべはあるけど、悪意とかはわからないからな。


『(んー、ない)』


「(よかった)」


「どうしたの?」


一瞬動きを止めたオレに気が付いたキリコが話し掛けた。


「ネコと気配がないか話していたんです」


「そういえばネコの声聞いてないわね」


「街中ですからね」


普段はナチュラルに会話に参加していたけど、さすがに街中では怪しまれるだろう。使い魔だって、基本主以外と喋るやつは少数だって言うし。


特にここサンゲン街はマテラの街よりも人口密度が高いから、気を付けないと。


そしてそのまま辺りに注意を払いつつ、門まで辿り着くと、既にアーリャが到着して準備をしてくれていた。こういうの慣れているのか。


「では行きましょうか」


灰馬に跨がり、昨日とは違う方向へ進んでいく。


次の依頼内容は、森に出た角兎ホーンビットを何とかしてくれというものだった。


「でたよデカウサギ」


オレここに来てからウサギ嫌いになりそう。

あのウサギ女といい、ここのウサギ狂暴すぎるだろう。


「後で食べていいやつですか?」


アウソが依頼書を指差しながら訊ねた。


「え、ええ。達成の証は角なので、どうぞ」


「俄然ヤル気出てきた」


「アタシも」


「こっちも」


そして、勿論。


「オレも」


狂暴だけど、美味いんだよなアイツ。


そんなオレ達を若干引いた顔でアーリャが見ていたことに、オレ達は誰一人として気付いてはいなかった。

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