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素材を集めよ!.3

任務内容は『作物を食い荒らすルパを討伐し、森の奥へ追い返せ』だった。


ルパとはイタチと猫が混ざったような生き物だが、一度噛み付かれれば肉を食い千切るまで離れないし、爪にはスズメバチと同じような毒がある。集団で行動し、素早い魔物だ。


場所はサンゲン街よりちょっと離れた村で、オレ達が駿馬を飛ばせば一時間ほどだが、今回は試験官もいるので、二時間掛けて行った。いくら駿馬に乗れるといってもオレ達の駿馬はもはや駿馬が出す速度を越えて走行可能な化け馬になりつつあるので、走り出したいとウズウズしている灰馬を宥めながら行った。


到着し、村長に依頼を受けて来たと受付をしている間に、こちらに少し小太りの男が走ってきた。


「おお!狩人ハンターさんですか!ささっ!こちらの畑です!ん?もしかしてそちらに居るのは試験官さんですかな?」


「はい!お久しぶりです!アーリャです!今回はパーティーランク試験でルパ討伐をしに来ました!」


「あー、なるほど…」


ちらりとこちらを見る依頼人らしい人。

反応を見るに前にもパーティーランクを見定めするために使われたのだろう。


「アーリャさん、ちょっと…」


「?、はい?」


手招きされてアーリャは村人のもとへ。

村人とアーリャはそそくさと部屋の隅へと行くと、何やらこそこそ話を始めている。

が、ネコと融合中だからか、それとも知らぬ間に読心術を自然に学んでいたのか、口元を見ればなんとなく何を言っているのか分かった。


断片的だけど。


前回は、あまりにも自分の力を過信して試験を受けたやつらがあまりにもお粗末で、結局怪我人続出してリタイアし、アーリャが追い払ってくれた、という感じらしい。


てか、アーリャって強いんだな。


それに対し、アーリャは、今回はパーティーランクは低いが、個人のハンターランクは高ランク揃いなのできっと大丈夫ですと返し、それでもダメならまた私がやりますと言っている。


一応、パーティーランク試験だけど個人のランクも確認しているのか。


それにしてもルパね。


確かにめんどくさい奴等だけど、予備知識があれば楽な獲物なんだけどな。


隣を見ればカリアとキリコもこちらを見て早速作戦で使う物を確認している。アウソは、何故か壁に飾られた絵をガン見していた。いや確かに凄く綺麗な絵だけど、そんなに近付いて見るかな?


「それでは、向かいましょうか」











畑に行くと、乾燥させ編んだ棘のロープでぐるりと囲んであった。だが、ルパは僅かな隙間があるとそこをすり抜けて侵入してしまう。


ちなみにお気に入りの場所は薄暗くて狭いところ。


鼻がよく、食べ物の臭いがするところは即座に探り当て、その細長い体を使って侵入し、盗んでいく。


森とかでは、夜行性の為あまり遭遇しなかったけど、こいつに似た奴はよく狩ってるし、パーティーランクは罠を使っても良いと言うことなので楽である。

個人のハンターランクは、その人の戦闘能力、知識力、応用力を見るので、罠を使うのはあまり好ましくないが。(魔法とかの罠や、武器の罠は有り。ただし基本試験会場は見晴らしの良い空間なので罠を設置しにくい)


パーティーランクは、そのパーティーの連携力とより安全に任務達成できるかを見極めるので、罠もありだし、周りの環境をいかに上手く使い安全にできるかを見定めるかなのだ。


理由としては、パーティーランクが高ければ、他のパーティーと連携が上手くでき、より危険な任務に行かすことが出来るし、何よりもそのパーティーを所持しているギルドの印象が上がる。

ハンターは向こうからたくさん仕事が舞い込んできて稼げるし、ギルドは評価が上がってウハウハ。そんな感じだ。


それに引き換え、フリーハンターはパーティーランクが低い傾向がある。理由としては、勧誘ウザイが第一位だけど、何よりも世界中を走り回る事ができなくなるのが一番嫌なんだと。ギルド所属だと、活動できる範囲が限定されるし、何よりも粗悪なギルドに捕まると、ギルドの顔色を伺って行動しないとランクを下げられたりするらしい。くわばらくわばら。


(その代わり報酬は基本金プラスの素材料で稼げるんだけど…。オレはフリーハンターが合ってるからなぁ)


そんなことを思いながら村人のサプから被害状況、目撃したルパの数、どこに去っていくのかを詳しく聞き、さっそく罠作りを始めたのだった。

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