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エルトゥフの森での攻防.18

「ネコ!ナイスタイミング!!」


ネコにグッジョブサインを送ると、ネコも器用にグッジョブサインを返してきた。練習の成果か、既に第三の手と化している。いや、ネコだから第一の手か。


「危ないじゃない!」


ギリギリ回避したキリコがネコ怒るが。


『確かめている暇なかったし』


と返す。


「喧嘩してる場合じゃないよ!」


そこへカリアが割り込み、リューシュが突っ込んだ場所を見ると、ボコボコと音を立てながら地面が溶けて赤いマグマと化していく。地面が溶けるって…。


乾いた笑いも出ず、真顔になるしかない。


「ライハ、あのリューシュはまた厄介な属性を持っている。気を付けるよ」


「爆発ですよね、気を付けます」


「? いやそれもだけど、他のやつ」


「え?そんなのありましたっけ?」


はてなが頭の上に浮かぶ。

カリアの頭の上にもはてなが浮かぶ。


「体が凄く重くなって動きにくくなったでしょ?」


「!」


確かに体が酷く重くなった。

あれ恐怖でじゃなかったのか。

良かった、また威圧負けしたのかと思った。


「あれ魔法だったんですか」


「多分、重さを変えたり、引き寄せたりする奴よ。厄介なやつだから気を付けな」


「了解です」


それならば対策はとれるはずだ。


『クフフフ…。いやぁー、参ったね。まさか同胞がそちらに加担しているとは。いや、責めているのではないよ、指令範囲から漏れた野良だったのかもしれんしな』


焼け崩れた木の下から無傷のリューシュがゆっくりと立ち上がる。


『ただ、喜ぶべきは、楽しい暇潰しの時間が伸びるということだ!!』


リューシュから重い圧が放たれる。


ビリビリと空気が震える。威圧だ。

だが、持ちこたえた。


修行の成果か、いや、隣にいるカリアが相殺してくれている。カリアは目を細め、深く呼吸をした。

その目には、普段見られない光が宿っていた。


「暇潰しね、なるほど。その暇潰しに付き合ってやろうじゃないか」


口調が真剣なものへと変わる。


「!」


カリアから魔力が溢れ出ていた。

普段は全く出さないカリアが魔力を出すとは。


『ライハ、ネコどうすればいい?』


虎ほどのネコが隣にやって来る。


その目はリューシュから離さず、耐えず観察を続けていた。


「…隙をみて、急所を付く。それか、アウソが来るまで持ちこたえる。そういえば、クユーシーは?」


『精霊を集めて貰ってる。ライハが視覚を繋げてくれていたから、ウンディーネが消滅したことも知ってるし、足の早い精霊が後を追ってくれてるからそろそろ着くと思う。風が来るよ』


風の精霊が先に到着か。


『では、楽しもうか!!』


リューシュの周りに巨大な火の玉が5つ形成され、次の瞬間、地獄が始まった。

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