表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
207/745

エルトゥフの森での攻防.14

この前のレエー戦の時から思っていた。

なんであの時の黒い水に雷が効いて黒い水を消滅ー蒸発と液体に分離化ともいうーさせる事が出来たのだろうか。


あの時使ったのは雷の魔法だが、その際干渉できるように鋭く意識し、その先に反転の呪いを乗せた。


黒い水を何故反転させると水蒸気とただの水に変わったのかは未だに謎だが、あの時の黒い水は今オレが持っている水の神具から生まれた水を何らかの形で操っていたと考えている。

では何を使って操っていたのか?


魔力だ。


通常の魔法攻撃で生み出された水には反転の呪いは効かないと、数多く戦った魔物で検証済みである。恐らく、操っている魔力のみを反転させていると目星をつけた。


あの時は焦っていて黒い水を確り調べなかったけど、間違っていないと思う。


なら、あの時と比べて今のマグマの鳥を見てみる。中心に核、そこから全方向に伸ばされた糸が網目状になって覆い、形を作っている。


雷の矢をつがえ、狙いを定める。

矢の先を鋭く、反転の呪いを乗せて。

今回、矢を射つといっても今までやっている指からの切り離しは止めて繋いだまま直接干渉する。


狙うは、マグマを纏めている魔力だ。


「しっ!」


チッと小さな音を立てて雷の矢が伸びる。

その先が見事マグマの鳥の羽を貫いた。


大きな破裂音と共に羽のマグマが吹っ飛んだ。


『!!』


驚いたマグマの鳥がこちらを振り向こうとした瞬間、羽の付け根からマグマが血のように吹き出した。


成功した!!


「何したの!?」


キリコが驚きの声を上げる。


「奴の弱点を発見しました!!オレが力を削っていくので、カリアさんとキリコさんは核の破壊をお願いします!!」


「わかったわ!!」


「任せるよ!!」


攻撃が効くとわかった二人は怒濤の攻撃を仕掛ける。キリコはアウソの槍を使ってマグマの鳥の攻撃がオレの所へ行かないよう立ち回り、その合間にカリアが薙ぎ倒されて巻き添えになったものの燃えてない木を掴むと、それを再びバットの如く振り回しつつ、殴る!殴る!殴る!


てか、なんでカリアが剣じゃなくて木を使うのかわかった。熱いんですね。


殴られる度にマグマの鳥は仰け反り、カリアに攻撃しようとすればオレがすかさず矢で反転させ、オレに攻撃しようとすればキリコが間に入って満遍なく攻撃をお見舞いする。


ひとつの流れのように攻撃するオレ達に怯んだのか、マグマの鳥が耳を塞ぎたくなるような叫び声を上げた。


(そろそろいけるか?)


一気に三本つがえ、射つ。


核の周り、三点を同時に射貫き、鳥の形が崩れて玉の形に変化していく。

突くなら今しかない!!


「キリコさん!!!」


槍を両手で確り掴み、体の近くに構えると、そのままキリコは雄叫びを上げながら体ごとマグマの玉に突入した。

槍の先が玉の中心にあった核的な存在に突き刺さり、それが真っ二つに割れた。


『リュ……シ…さ………ま……』


ドロリとマグマが溶けるように崩れ落ち、地面へマグマの池を作った。


勝った。


足から力が抜けそうになるが、今気を抜いてはいけないと、太ももを叩きながら活を入れ直す。


辺りを見回すと見事に大火事の跡で、これ怒られるだけじゃ済まないだろうなと思いながらカリアの元へ行くと、カリアの足から血が流れていることに気がついた。


「足、怪我したんですか?」


「ん?ああ、これ」


カリアが足を見る。


「飲み込まれかけたときにやったっぽいね。血は止まってるから大丈夫。それを言うならあんたもだけど。角どこ行った?」


「え?」


額をさわると無くなっていた。

そういえば頭打った時に血が出てたな。あの時取れたか。


まぁ、あっても邪魔だからいいけど。


「キリコ、そっちは──、!!!」


カリアが上を向き、すぐさまキリコに突進していく。

どうした!?


「!!」


ぞわりと鳥肌が立って上を見上げると流れ星の様なものがこちらへと落下してきていた。


「できるだけ遠くへ逃げろ!!」


カリアがキリコを俵担ぎをしてこちらに指示を出した。それを聞く前に体は既に逃げ出している途中で。


次の瞬間、体は爆風によって吹っ飛ばされていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ