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エルトゥフの森での攻防.9

用事のため27、28日はお休みします

部下達が帰ってこない。


部下といっても臨時で集まり、強い俺がリーダーになっただけのものだが。それでも定期的に帰ってくるはずなのに戻ってないのは大問題だった。


「リュニーすらもか」


あいつは絶対服従の魔物だ。

いや、分身だ。


あいつの本体は元を正せば俺の鱗の一つである。

鱗に魔力を込め、知能を与えたリュニーは、傍らにいるこのリュワンの次ぐ力の持ち主である。

リュニーには予めチハの近くで偵察を行うように命令を出していた。弱い獲物なら即座に排除、強いようなら報告するようにとしている。


「手間取っているのか?」


しかしそれではチハに足止めしてもらいリュニーは報告の為に戻るはずなのだ。


もし、遭遇した敵が強く、すでに破壊されていたとするならば。


エルトゥフどもは魔物で足止めに手一杯で割ける戦力は無いはずだ。だが、森の外から来たものが手助けをしているなら話は別。


「おい、リュワン」


『ガァー!!はいー!!なんでしょうか!リューシュ様!!』


リューシュと呼ばれた男の傍らに巨大な鳥が舞い降りた。見た目は炎の塊だが、羽と嘴でようやく鳥の形だと視認できた。もっとも、尾はリュニーと同じく魚に似たものだが。


「どうやら客人が来たようだ。丁重にもてなすための準備をしておけ」


リュワンの口が嘴があるにも関わらず器用に弧を描く。


『了解しましたー!!』


リュワンが翼をはためかせて去っていく。


リュワンは人間が大好きだ。

きっと客人をよく持て成してくれるに違いない。


くくっ、とリューシュが笑う。

さて、楽しくなってきた。














茂みに身を隠しながら、オレ達四人は目の前の光景を無言で眺めていた。


何だろうな、どっかで見たことあるなと記憶を探り、ようやく思い出した。

いわしの群れだ。


それの火の鳥バージョンで、リュニーと似た火の鳥が大量に渦を巻いて飛んでいる。


「………アウソ」


「…はい」


カリアが死んだ魚の目をしてるアウソに話し掛けた。


「アレ見て正直どう思う?生き残れそう?」


「すいません、さっきカッコつけておいてなんなんですけど、普通に死ぬと思います」


生身の人間が火山に挑むようなものだもんな。


リュニーであんなに手間取ったのだ。

アウソは種族特性がない人間だ。このパーティ唯一のまともな人間だ。


水中で30分息を止められる特技を持つが、回復力は到って普通なのだ。てか、オレも今は回復能力うなぎ登り中だからぐいぐい行けるけど、無かったら「無理ゲー」と言っていたはず。


いや、今も「クソゲー」かな?くらいは思ってるし。


「無理して死なれたら困るから、ちょっとお使い頼んでいい?」


「出来ることならなんでもやります」

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