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エルトゥフの戦い方

髪に挿されていた花をまたコップにけ、部屋に持っていってもらった。

一応贈り物なので無下にはできない。

でもとりあえずクユーシーに頼んで精霊を呼んで貰い、人間の男を飾り付けても嬉しくはないから別の物に出来ないかと頼んだら、頷くように点滅した。


これでもう安心だ。


「さ、こちらです」


クユーシーの案内のもと、争っている場所を見渡せる所へとやって来ると、とんでもないことになっていた。


巨木が枝を振り回し地面を叩き、いつか見たことのある蔓だらけの木が蔓を鞭のようにブン回しながら激しく動き回り、エルトゥフ達がその合間を縫って矢を射ている。


そして時おり地鳴りのような音が聞こえて、そちらに目を向けると岩の巨人が下を見て何かを踏み潰そうとしていた。


「…………怪獣映画かな?」


多分ゴジラとかいても違和感ない。


「俺たちの前の戦闘が霞むな」


とアウソが感想を漏らした。

激しく同意。


「悪魔の数は?」


「確認できているのは3体ですが、悪魔よりも魔物が多くて、精霊達にもたくさん助けてもらっているんです」


「!! クユーシー、後ろ!!!」


キリコが声をあげ、防御体制を取りながらそちらを見ると炎の塊がクユーシー目掛けて飛んできていた。咄嗟に間にキリコが入ろうとした瞬間、下から消防車のホースから出るような勢いで水が迫ってきた炎に直撃し、炎を一瞬の内に掻き消した。


その数秒後に、大きな水の塊が怒っているようにぶるぶる全体を震わせながら現れた。

水がキラキラ光っている。

精霊か?


「ウンディーネ!ありがとう!」


水の塊から半透明の美女が上半身だけを現し、クユーシーへと手を振ると、また大きな水の塊に戻り、炎が来た方向へと飛んでいった。


「あれも精霊よね」


「そうです、水の精霊ウンディーネです。悪魔は炎を使うから、手伝って貰っているんです」


精霊って色んな種類がいるんだなとライハは思った。


「これはアタシ達は裏で動いた方が良さそうね」


「そうね、幸い陽動には事欠かないし、いざとなれば強行突破も出来そう」


そういうカリアの視線の先には岩の巨人、ゴーレムの姿。


「炎ならアタシは盾になれるし、なんなら喰らいながら攻撃かませるからね」


「そこは任せたよ、キリコ」


「俺たちは悪魔の能力次第だな」


「キリコさん達と違って一発でも食らえばお仕舞いだし、出来る限りのベストを尽くそう」


トントンと肩を叩かれ振り返ると、ネコの前足が乗っていた。


「いや、よく考えたらオレも陽動できたわ」


ネコと連携して回復力上げれば、切断されない限りは戦える。


「じゃあ今回はキリコとライハが特攻、コッチとアウソが補佐でやるよ」


「あの、ボクは?」


クユーシーが恐る恐る手を挙げた。


「…えーと、戦闘経験は?」


カリアが訊ねる。


「…恥ずかしながら無いです」


クユーシーが照れながら答えた。


「安全なところから精霊達に手伝ってもらって補佐とか出来る?」


うーん、とクユーシーが考え、精霊達を呼んで話し合いをしている。そして一つ頷く。


「ウンディーネが手伝ってくれるそうです!」


「それは心強い。助かるよ」

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