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蛇山

駿馬を走らせ4日。

荒れた大地に大きな山が現れた。山は葉や幹の硬い尖硬樹センコウジュに覆われ、山頂には三本松が生えている。これがピーズフィプ山だ。


「なんていうか、見た目完全に蕀の山なんですけど」


「見た目通り切れるから、触っちゃ駄目よ」


山近くにある村に宿を取り、駿馬を預けると山へと入った。この山は人があまり立ち入らない。その為植物は荒れ放題で登るのも一苦労だった。


『ライハ!蛇!』


「え!」


ネコの警告で振り替えると、蛇が大口構えて襲い掛かっていた。短剣を出す暇が無かったので、咄嗟に腰に差している黒刀で殴り落とした。


綺麗に頭に当たったらしい。

見事脳震盪起こしていたのでそのまま止めを刺した。


黒牙蛇ペズネオーよ。珍しいね」


カリアがやって来て蛇を持ち上げる。


「しかも四本牙。ほんと変異種ばかりになってきたね」


「四本牙?」


蛇ってだいたい二本牙のはずだけど。

カリアに見せてもらうと、ペズネオーの牙は確かに四本。上顎に二本ずつ毒牙が並んでいる。


「牙が黒」


「高値で売れるんよ。持ってて、対価に使うから」


「はい」


手渡された蛇を自分の熊呑鼠フォベロパッテの頬袋に入れる。


山を樹に気を付けながら進んでいくと、まあ色んな種類の蛇が出てくる出てくる。それはもう鳥肌が止まらないくらいワサワサと。それを地道に退治しながら回収していく。


気がつけば、袋が蛇でパンパンに膨れていた。


地味に重い。


『美味いかな』


「食べんなよ」


フードの中から袋を狙うネコを警戒しつつ、遂に山頂に辿り着いた。


「亀裂は?」


「おかしいね、無いね」


見渡すがそれらしいものは見当たらない。


「ちょっとスマホの地図見せて」


キリコに神から送られてきた地図を見せた。

さっきチラッと通知が来ていたのを見付けたので、後で確認しないと。


キリコが上見て、山を見て、更に遠くを見ながら山頂を彷徨き、そしてゲンナリとした嫌な顔をしながら戻ってきた。


「師匠、ヤバイわ」


「何が?」


「亀裂が尖硬樹の繁っている所にある」


「マジで?」


思わず溢した言葉にキリコが「マジよ」と返す。


返して貰ったスマホで確認してみると、本当にあった。


刺の隙間から亀裂を確認する。


「どうしよう、どうやって塞ぐ?」


「幸いにもこんなところにあるから魔物は湧いてこれないみたいだけど、放置でも大丈夫なんじゃ」


「キリコさん、あの蛇、あれから湧いてますよ」


「え、本当?」


アウソが指差す所を見ると、蛇が一匹亀裂から這い出ていた。


「だから蛇山になってたんか」


カリアが納得している。


「でも本当にどうやって塞ぎますか?この尖硬樹は金属並みに硬いし、頑張って切るとしても凄い量ありますよ」


「どうにかしてすり抜けられたらいいんだけどねぇ」


うーん、と頭を捻る。そして、ふと思い付いたことがあって、オレはネコを見た。


「ネコ、出番だ」


『へ?』

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