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ひとつめ

オレの怪我はたいしたことなかった。


骨で切ったくらいだ。

一番酷いのはカリアの腹の刺傷。次にアウソの足の傷とカリアに蹴り飛ばされたときの痣。

背中に青く残ってた。どんだけ強く蹴り飛ばされたんだ。


「そうだ、ネコ」


『ん?』


「さっきのありがとな。ナイスタイミングだった」


『あー、うん。どういたしまして。あれくらいしか手助け出来なかったけど』


「いやいや、オレの耳の代わりしてくれてたんだろ。それだけでも助かってるよ」


あの後しばらく耳が麻痺して耳鳴りしか聞こえなかったからな。それにしても今度爆音出すときは気を付けないと。


傷の手当てを終え、せめて遺留品をギルドに届けてやろうと散らかった骨の中から探し出しているとキリコがこっちを見て手招きをした。


「なんすか?」


「これ持ってみて」


キリコの手にあるのは悪魔の尾らしきもの。


「えぇ…」


引く。


「いいから」


無理矢理持たされた。

するとどうだろう。まるで黒い光が近くにあるかのように体の疲れが取れていくではないか。

キリコがどんな感じかと訊ねてきた。


「…めっちゃ疲れとれます」


「じゃあ貰えば?それ」


「冗談でしょう」


何が悲しくて悪魔の尻尾を持ち歩かなきゃならないのか。


「違うわ、こっちの方よ」


キリコが指差すのは、尻尾の飾りだった。

尾飾りの中に赤い玉が飾りの中に嵌め込まれている。


それをキリコはオレの短剣を使い、飾りの一部に刺し込んで少し動かすと、玉が外れた。


『なぁ、ライハ。それ観測者に作って貰った飾りに嵌まるんじゃないか?』


「そう?」


試しに腕輪に付けると、綺麗に嵌まり、玉を中心に虹色の光が波紋のように広がった。これ、玉を入れるための穴だったのか。


「あら、ピッタリね」


「キリコさん、これ何なんですか?」


「呪いの装備の一種よ。今回は悪魔が住み着いてるっていうよりも、悪魔が所有していたやつの核だけど」


「いいのかなぁ」


「いいのよ。戦利品だもの。角や牙と一緒よ」


そうなのかなぁと首を捻る。


「ライハ!キリコ!ちょっと手伝って!」


カリアが呼んでる。

釈然としないままカリアの元へと向かった。


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