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龍眼族の異世界魔剣鍛冶  作者: 天御夜 釉
第6章:試練の旅【Travel of trials】
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094 神託

アイライーリス先輩が戻ってきた。

なんだかんだ、滅茶苦茶上機嫌に帰ってきた。


「ふっふっふー!」

「どうしたんだ、一体……」


ヴァーユ先輩は訝しげにアイライーリス先輩のことを見つめていたが、グロウ・レイリュさんに促されて中央部に入っていく。


エスペランサは、相変わらず俯いている。


「あの、彼女は大丈夫なんですか?」


うん? 彼女はエスペランサからあふれるオーラを感じ取れていないのか。

いや、俺は全くわからないけど。


俺から洩れ出るわずかなものでも、グロウ・レイリュさんは感じとっていたなら、希望神ホープそのものともいえるエスペランサのオーラは滅茶苦茶感じているものだと思っていた。


「ずっと歩いていたからな、疲れたんだろう」


俺はエスペランサの肩を抱き寄せて、逆膝枕をさせる。

うーとか、すーとかいいながらエスペランサは俺にすり寄ってくる。


かわいいなぁもう。

神のことをこういうのもどうかと思うが、まるで愛玩動物だ。


「大丈夫ですか?」

「はい」


エスペランサは今、ヴァーユ先輩と対談中だろう。

結局、アイライーリス先輩が何をしゃべったのか、知りたい気もするが少しまとう。

神殿内で神託の情報を漏らすのはよくないことらしい。


そばに神がいるからよいも悪いものないような気がする!


しかし、さすがに今はやめておくべきだろう。

好きかってするのはもうすこし、「力」を貰ってからだ。まだ慌てるような時期ではない。


「お、ヴァーちゃん帰ってきたね」


アイライーリス先輩の言葉を受けて顔を上げると、たしかにヴァーユ先輩が戻ってきていた。

ちょっとほくほくしている様子からして、何か安堵しているような気がする。


「次は私ですね」


そのまま入ってどうする!

神本人が神殿中央部に入っていきました。



もちろん、すぐに戻ってきた。

3分くらいで戻ってきたエスペランサは、俺だけにみえるようにウインクをして見せる。


その顔を見て、俺は少しだけ安心した。

そして、入れ違いに俺は中央部へ。




「なんていうか、うん、想像はしてたけど」


俺は、目の前に現れた本来の姿。

半透明だが金髪の美女を見つめて、ため息を吐いた。


「これだったら、別にあそこでいってもいいんじゃないか?」

『……ということは、もうわかっているのですね。話が早くて助かります』

「エスペランサ、俺を誰だと思ってるんだ?」


俺は首を振って、不思議そうに首をかしげているエスペランサこと、希望神ホープを見つめる。


「アイライーリス先輩が言っていた通りのことだろう?」

『そうですね、私は。神の身でありながら人間に最も憧れている神です。勿論シルバさんの魂を拾ったのも、転生させようと思ったのも私です』


やはり。……ということは、だ。


『今世の英雄を、シルバさんに任せてもよろしいでしょうか』

「ああ、分かった」

『二つ返事で応じてくれるとは、ありがたい限りです』


エスペランサは、そのホログラムのような半透明な体で俺を包み込むように、手を広げる。

その先に、何があるのかはわからないけれど。

きっと、なるようになるとは思っているから、大丈夫だ。


『これで。……貴方は、龍眼族レザールであるとともに【絶越種トランサンデ】。その力は後々にわかることでしょう』


俺は、身体に何か違いがないか確かめる。

龍眼族レザールの、鱗はいつも通りだ。


別に何ら変わった場所はないが。


『額、ですよ』

「額?」


鏡を見ればわかります、と。

半神態の希望神ホープは微笑んで、神託オラクルは終了となった。

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