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龍眼族の異世界魔剣鍛冶  作者: 天御夜 釉
第5章:覚醒【awakening】
71/333

071 勝者

リハビリ目的で変則的ながら、投稿させていただきます。



 俺は、目の前で地面にうずくまったライゼィス先輩から目をそらし、眼を閉じて先輩方の場所へ引き返した。

 けが人はライゼィス先輩以外、いないだろう。


 ちなみに、【龍化ドラコフォーゼ】現象だったが、気を落ち着かせたら自然と元の姿に戻った。

 尻尾や爪がどこに飛んでいったかは知らないが、霧散したような気がする。

 さすがファンタジー世界だ。


「……」


 おっと、よく見たら先輩方の視線が妙に痛いような気がするな。

 ヴァーユ先輩とアイライーリス先輩は普通だったけれど、ほかの線お会いが微妙な……怒り?


 特に男子の先輩方は、俺を刺し殺しそうな顔でにらみつけている。

 どうやら、俺がボコボコに叩き潰されるところを笑いに来たらしいが、俺が圧勝してしまったために怒りを募らせているのだろう。


 俺は【刹那≠無限ピリオド・エターナル】を後ろ手に持ったまま、二人の先輩の前まで歩く。

 ちなみに、女子生徒からの視線は……ああ、いろいろな感情が入り交じりすぎて判断しきれない。

 羨望、あこがれ、恐怖……。


「怪我はないのか?」

「それをいうのなら、先輩方にお聞きしたいところです」


 俺がほぼ表情を変えないまま伝えると、アイライーリス先輩は元気に、ヴァーユ先輩は優雅に一回転して見せてくれる。

 うむ、怪我はないか、よかった。


 それにしても、回ってくれるとは思わなかった。

 綺麗だな、本当に。

 男子女子関係なくかなりの人気を誇る、というのも中々理解できる。


 そして、よく二人セットで扱われているのも、理解……出来ているのか?


「フロガフェザリアス様、アマテノヴァル様。何故この一年に肩入れをするのか、俺には理解できません」

「僕も同意見です。アイギス・ライゼィスに圧勝したとは言え、それほど特異な能力を持っているとは」


 愚痴愚痴と文句を言い出した男子生徒に対し、二人の先輩がゴミを見るような眼で彼らを見つめていた。

 ヴァーユ先輩はわずかに唇を動かして、「さっきの龍化現象をどんな目で見ていたんだ」とつぶやいているし、アイライーリス先輩は俺の創った魔剣、【守護者の炎カーディカナル・ブレイズ】を今にも抜こうとカチリと音を立てさせている。


 俺は損な二人の先輩を手で制止し、文句を言い出した先輩方の前に立つ。


「なんだよ、やろうってのか?」

「またまた噛ませ犬のようなせりふを……。文句を言うなら俺に対して言ってください。先輩たちは関係ないのでしょうし」


 憎悪の念を向けられるのは俺だけでいい、なんてかっこいいことは言えないが。

 今回の火種は俺だと言うことくらいはわかっている。

 だからこそ、少しくらいは俺に文句が来てもいいはずだ。


「なんだと……?」

「俺は先輩方よりも頭がいいとか、絶対に思っていないので。決闘ジツリョクでしか物事を解決する術をもちませんが、それでもいいというのなら」


 といいながら、俺は未だピクリとも動かず地面に身体をくっつけたままのライゼィス先輩を見つめる。

 殺してはいないはずだが、いったいどうだろう。

 最後のとどめも、やけになって発射した魔法を自分に命中させて自滅しただけだろうし。


「それが複数人になっても、勝てると?」

「……右も左もわからないような1年生に、2年生のエリート先輩が複数人で戦いを挑む、というのはいささか滑稽な話ではありますが、どうぞ」


 決して、挑発しているつもりではないことを理解して欲しかったり、して欲しくなかったりするが気にして欲しくない。

 少し、馬鹿馬鹿しく感じてしまっただけなのだ。


 俺がここにいる意味は、先輩方に授業に参加できるレベルだと言われたからで。

 彼らとケンカするためにきたのではなければ、俺は魔法という前世にはなかった技術を、もっと知りたくてきたのだ。


 万が一、元の世界に戻れるとなったとき、いつでも戻れるように。

 それが不可能であっても、前世のように戦死なんてもううんざりだ。







 誰よりも、強くなる。


連載当初のように、不定期(ただし駆け足、遅くても3日に1回)にしようかどうか、迷ってます。


早く物語を進ませたい(確信)

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