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龍眼族の異世界魔剣鍛冶  作者: 天御夜 釉
第3章:前進【advance】
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034 狼群迎撃

今日より、この作品ともう一つの作品である「異世界に転生したと思ったら、身体を再構築されt(以下略)」の更新ペースをそれぞれ交互にすることにしました。


毎日更新を楽しみになさってくれている方々、申し訳ありません。


かわりに、少しずつ文章の量を長くしていきます。

では、よろしくお願いします。

「……何で、こうも襲われるんだ!」


 森に入って1日目の夜。

 現在。

 絶賛、被襲撃中である。


 敵は体の所々に木の枝っぽいものが生えている狼だ。

 数は……10匹といったところだろうか。


「おかしいですね……」


 エスペランサも首を傾げている。

 俺は彼女を背後に庇いながら、目の前にいる狼型の巨大な魔獣モンスターを見つめた。


 【白神腕輪アルバ・アルミリア】を展開し、「それ」が『ジルバ・ウルフ』という名前だと分かって少し嫌悪する。

 自分と名前が似ている……。


 まあ、そもそも俺が名乗った『シルバ』という名前も、元々は前世で友人の侍女メイドから取った名前であるからにして、特に特別な意味はない。


 一番嫌だったのは、理由はどうあれ前世の名前だ。

 何に対しても痛い。凄く幻想ファンタジー臭がしていた。


 何故わざわざ女から取ってきたかと言えば、ただ真っ先に思いついたという理由だけ。

 恋仲だったということもない。


「シルバさん! まえっ!」

「はいよー」


 牙が見えた。

 その大きく開き、俺の喉を噛みつかんとするその口。

 俺は顔の横を拳で捉え、左に吹き飛ばす。


 こういうとき、【引斥制御グラビシオンコントロール】…を使えばいいような気がするのだが気にしない。


 ふと、アイゼルの方を見ると、剣で首をはねていた。

 ……剣は扱えるのか。何もできないと言うのは冗談か。


 当たり前だ。


「エスペランサ、何か俺に強化魔法みたいなものはかけられないのか?」

「そんなに高度なもの、出来ませんよ! 私が出来るものと言えば、簡単な発火魔法くらいですっ」


 この世界の、魔法のレベルがいまいちつかめない。

 何かを発現するよりも、そもそも存在するものを強化する方が高度なのか?


 いや、もしかして誰かに効果を譲渡することが高度なのかも知れない。

 ……考えるのはもうやめよう。


「アイゼル、何匹殺した?」

「そうだねー。首は4つあるね」


 半分近く殺している。

 まあ、俺の吹っ飛ばした『ジルバ・ウルフ』の首を切断しているだけだと考えればそこまでの労力ではないと……考えても無理か。






「はぁ、疲れた」


 おびただしい数の死骸。

 襲撃が失敗に終わった『ジルバ・ウルフ』の死骸を後目に、俺はテントの準備をした。

 なんだかんだ、風上の方に立てて血の臭いはこちらに来ないようにする。


 って考えても、3人でテントの中に全員が入るというのは狭いな。

 アイゼルには外で寝てもらおう。


「と、アイゼルは何をしているんだ?」

「ん? 『ジルバ・ウルフ』の牙はアクセサリーの材料になるからね。取っておいて損はないと思って」


 まあ、首をはねたのはアイゼルだから俺は文句を言ったりしないが。

 ところで、テントの件である。


「アイゼルは外で構わないな?」

「うん、いいよ。ってえ?」


 アイゼル、ノリで返事して自分の不遇を招く。

 これでまあ、エスペランサの安全は確保できた。

 アイゼルには犠牲になってもらおう。


「ちょっと待って。何で俺が外なの?」

「さっきそれで良いって言ったから」


 いやいや! と手と首を振るアイゼル。

 必死だな。潔く認めろよそのくらいのこと。


「俺危なくね!?」

「エスペランサは女子だからテントの中。俺は、エスペランサを守らなければならないからテントの中。正直どうでも良いアイゼルは外」

「でも、君がエスペランサちゃんをどうこうしないという可能性もないだろ!」


 ……もう何日も二人で野宿しているのに、何も起こっていないのだから何も起こらない、というのも納得できない話か。

 正直、俺の好みじゃないんだがなぁ。

 だって、出会った頃は何歳年下なのか考えていたし、……背丈が圧倒的に足りない。


「それを考えるなら、アイゼルを中に入れた方がどう見ても危険だろう?」

「えっ」


 図星……なのか?

 信用できなくなってきたな。


 俺は立ち上がり、そばにあった『ジルバ・ウルフ』の首から牙を引っこ抜いて彼に渡す。

 ちなみに彼が集めていたのは所謂犬歯。


「これは好きなだけ遣るから、エスペランサに近づくなよ」

「いや、何でもしないってー?」


 だめだ。

 アイゼルは信用出来ない。

 エスペランサ関係では信用できない。


「そもそも、長旅になるというのに何も用意しないアイゼルが悪いとは思わないか?」

「そりゃあ、そうだけども。……そもそも、思い立ったらすぐ行動する君たちも君たちだと思うけど!」


 確かに、返事をいう前日に準備する買い物はすべて終わらせていたからな。

 そもそも、その時はアイゼルが着いてくるなんて思ってもいなかったし。

 一生店番をしていたら良かったのに。






「とにかくだ。……防寒具は最低限やるから」

「……『ポラリス』の最初の町に着いたら、自分で買うからな」

「じゃあ、別行動かな?」

「ひぃ!」



御読了感謝いたします。


本日は、前日より1kB分長くしました。

これからもよろしくお願いいたします。

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