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龍眼族の異世界魔剣鍛冶  作者: 天御夜 釉
第15章:試練と龍集落【Test and Dorallage】
309/333

309 集落到着(シルバ)

門をくぐると、そこにはすでに数人の龍眼族が待ち構えていた。俺の対面に立っているのは、位置しているのは長老っぽい龍眼族で、その姿には年季が入っており、人というよりは龍に近い。

彼らは無言で威圧を与えていた。その視線は俺ではなく、専ら後ろのヒョウガやヒョウリに注がれているような気がする。ちなみに、エスペランサとは目を合わせようともしないばかりか、どこか畏れているようにも感じられる。


「ようこそ」


重い口が開かれる。長老らしき人物が話を始めると俺たちを取り囲んでいた人々は一歩下がり、深く頭を下げている。

しきたりの強い場所なのか、それとも別の理由があるのか。俺にはよく理解できなかった。


「この方法で入ってきたということは、貴方が《神の加護》を受けし者なのですね、言うことはありません」


ですが、後ろの異種族は許容できません、とあくまでも丁寧に拒絶の意思を示した彼に、俺は名前を訪ねた。

返答は、「名前はない」とのことだった。長老になる龍眼族は名前を棄て、「長老」と呼ばれるようになると。


俺はそれを聞いた上で拒絶にたいし反論した。門には陰陽の鍵が必要で、氷色の髪の毛をした2人はそれぞれその所有者であること、金髪の女性は希望神であることを伝える。

少し気迫が強くなりすぎたか、それとも相手がやっと理解したのか、少々考えた後に仕方ありませんねと承諾させられる。ほかの龍眼族が反論するように1人歩み出たが、それを他の人々が睨んで牽制していた。


「希望神?」


長老はエスペランサを見て、怪しむように目を細めていた。心でははったりと思っているのかもしれないが、本能的な畏れがそれと戦っているのだろう。俺はバンダナを外してそれを額をあらわにすると、そこに希望神の紋章が現れるのを見てようやっと納得したらしい。

他の龍眼族たちも、ぐぬぬといいそうな悔しい顔をして一旦引き下がる。


俺は龍眼族にしてはあまりにも外の世界にいすぎたからなのか、この閉鎖的思考の人々にどうも苛立ちを感じ始めていた。種族なんて関係ないだろうと、声を大にして言いたかったのだ。

しかし、ヒョウリとヒョウガの目を見てそれをやめた。2人が剣にかけた手を離したのをみて、また龍眼族の彼らも警戒を少しだけ解く。


「私たちは事を荒立てる目的でここにきたのではありません。ただ、シルバ様に手をかけた場合、全面抗争も辞しません」


この時のヒョウガは、「レイカー家の護衛」としてはっきりした声で宣言していた。

まあ、彼らが3人に何かしたら同族殺しだろうがなんだろうが、俺も怒るけどな。


それを感知したのか、長老は慌てたように数人を呼び出し奥へ案内するように急かしている。

まあ、それも仕方ないことだろうなと。伝説の内容はよく知らないが、陰陽の鍵の持ち主ってやっぱり特別っぽい。


俺は奥に案内されながら、一般的にはどうやってこの集落に入るのか質問してみた。


「普通は紹介された商人や職人が、山の向こうの村にいる魔導師に出会ってゲートを開いてもらうのです」


なるほど、龍眼族たちはここから出ないから、普段は壁に門なんてないわけだ。

直接ここまで来る人が奇怪に見えたんだろうな、と認識して俺はもう少し情報収集をするべきだったかと反省した。


いや、まてよ? 紹介ならあるぞ。

俺は懐に1年半ずっと使う機会がなかった紹介状らしきものをその場で長老に渡した。

まあ、詐欺られてる可能性もあるし。どうとも言えないけれどと半信半疑で渡したところ、すぐに突き返される。


「今はまだそれを受け取るわけにはいかないのです。先にすべきことがありますから」


中身を見て一体何を考えたのか俺にはよくわからないが、そう言うのならそういうことにしておこうかね。

俺はそれをしまい直した。歩いている頃にはもう、目の前に要塞のような建物が迫っている。

見れば一見普通の、堅実な要塞のように見えるそれも、魔力を感知しようとすれば身震いほするほどの魔法量と、頭をもたげて周りを威圧する龍神の神力を感じることができた。


「ご案内しましょう……、龍眼族集落アラグルズの中心施設です」

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