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龍眼族の異世界魔剣鍛冶  作者: 天御夜 釉
第12章:極光【Aurora】
229/333

229 冬

新章開始

 1話目は短めで。というかこの章自体短いです。

 冬がきた。この世界の冬は、秋をすっ飛ばしてやってくるため温度の落差が激しい。

 風邪をひく人も多いというが、【龍眼族レザール】である俺には関係のないことだったようである。


 そんなことよりも、なんというか。もう学園に休みがきた。

 そうやって考えると俺って今年、本当に学校に言っていないような気もするんだが、それはさておき。


「レイカー城にはどうやって行くんだ?」

「普通に【デルエクス】で向かいますよ。ゼロがここにいる以上、私はそういうことですし」


 アンセルがそうやって答えてくれる。ヒョウリも本当は嫌だが、ということを強調しながらついてくるらしい。

 ちなみに、初対面のあの時以外、まだ襲われてはいない。

 

 力試し的な目的で襲われたのだろうか、と俺は考えているわけなんだが。

 どうも、その様子はないんだよ……。


「【デルエクス】では、隣に座りませんか?」

「……3席あったらね」

「エスペランサさんですか?」


 いつも彼女ばっかり、とアンセルは悲しそうな表情を見せる。

 アンセルたちにはエスペランサの正体を分かっているはずなんだが、そのくらい許してほしい。

 いや本当に。


 俺は彼女の境遇を聞いて決意したんだから。

 エスペランサを絶対に見捨てないって。


 もちろん、このコトについてはルークエルリダスさんにも説明は通してある。

 俺がアンセル、リンセルとともに結婚する日が来る時、エスペランサは名義上「レイカー」の名前を授ける、と。

 だから、最終的に彼女たちは姉妹になるのだ。


「まだ夜の営みも今月はしていませんよ」

「……したいの?」

「シルバさんとなら」


 したいのか。確かに、彼女と寝るのは構わないんだが。

 ……彼女、思った以上に体力があるから【龍眼族】でも少し厳しい場所があったり。


「アンセルはやっぱり美しいな」

「……お褒めの言葉を、ありがとうございます」


 口調はいつもと変わりないが、その表情は完全に……なんとも言いがたい。

 明後日が誕生日であるアンセルと、リンセルの為にとりあえず俺はプレゼントを用意した。

 ひとつは魔剣だ。もちろん2人には、俺のいない間にも何もなくいてほしいから。

 他の男の誘惑に関しては心配していないが、別の部分では心配事がたくさんある。


 まあ、もうひとつも魔武具であることに変わりはないのだが。


「さて、そろそろ夕ごはんができる頃ですね」


 外を見つめれば、夕闇。

 色はオレンジ色から紫に変わってきたころあいだろうか。なかなか綺麗だ。

 都市国家のここでもここまでなら、オーロラとダイヤモンドダストが見られるというカエシウス聖王国はどうなんだろう。


「そっちの空はどうなんだ?」

「きっと美しいと思います。……幻想的で、どこか救われるように浄化されますよ」


 


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