表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍眼族の異世界魔剣鍛冶  作者: 天御夜 釉
第10章:決戦【Duel】
202/333

202 転生者VS転生者3

 俺が地面に着陸しているころ、ランは何もしてこなかった。

 いや、実際には何もできないのだ。実際何をやっているかといえば、遅い来る冷気に対抗しようとしているのだろう。

 しかし、【龍眼魔法】というものは一つ一つが膨大な量と、とんでもない濃度をもつ魔力の塊だ。


 それは、彼の持つ魔力なんて花にもかけないほどに良質なものである。

 完封勝ち。この言葉はある意味ではとても爽快感のあるものだが、ある意味では実に喪失感を伴う。


 俺は右手に持った魔剣で彼ののどに突きつけながら、彼に話しかける。


「降参したほうがいい」

「……だれが、諦めるもんか」


 冷気が吹き飛んだ。

 思わず一歩引くと、彼の周りから。

 螺旋型の魔力が、渦を巻きながら二重螺旋を描いている。


「【超絶能力開花アッパー】」


 彼が叫んだワードは、俺の聞いたことがないものだった。

 いや、一度何かの文献でちらりと見たことはある。


 龍眼族レザールの【龍化ドラコ・フォーゼ】や【龍眼】のように、醒眼族ウェイカーにしかない種族特性。


「……いいや」


 俺はふっと息を吐くと、5本の魔剣を再び手から離し、空中へ浮遊させる。

 相手がいくら種族特性を使おうとも、龍眼族の前では無意味なのだ。


 ……いや、正しくは俺の前では無意味、か。


「……ルークエルリダスさん、神剣の力、借ります」


 独り言のように、レイカー家の当主への言葉を呟き、俺はゆらゆらと狂ったように足取りがおぼつかないラン・ロキアスを見つめた。


「……ええと、この神剣の能力は。……なるほどね」


 剣を抜けば分かる。魔剣と明らかに違う、その剣の【志】が感じ取れてくる。

 魔剣は人が選ぶものだが、神剣は剣が人を選ぶということか。


 特に構えなくてもいい。持っているだけで、ラン・ロキアスの動きは『彼』が教えてくれる。

 未来予知か、推測か。そのくらいに正確なため、彼が自身の身体を強化したところで俺の戦闘スタイルに変わりはないのだ。


 一つ、残念なことといえば。

 最後の魔剣が、完全にお役御免になったことだろうか。


 まあ、いい。

 最後の切り札は、披露しておくだけ披露して本質を明かさないのが適任だろう。

 それだけで、相手の抑制になれば万々歳だ。


 今は、手札を切る時ではない。

 今回の切り札は、この神剣【闇夜の月ミッドナイト・ムーン】なのだから。


「起動」


 俺が唱えると、突っ込んでくるラン・ロキアスと俺との間に濃い闇の空間ができた。

 真夜中、霧の中を歩いているような感覚になっているだろう彼だが、こちらからは分かる。

 まるで、あるいみではマジックミラーのようなものだろうか。

 こちらに見え、あちらには見えない。


 だからこそ、相手がどんなことをしようが関係ないのだ。

 龍眼族は、この世界に存在する8種族の中で最強なのだから。


 それに、転生者という要素が加わっただけで、ほぼ無敵といってもいいだろう。

 ……とっても幼稚なたとえ方だ、無敵なんて、小学生くらいしか使わないというのに。


「なぜだ……なぜなんだ!」


 彼の目線から外れるように自分の身体を動かすこと数分、彼はいらだちと焦りから呪詛のように言葉を繰り返す。

 精神すら、この闇は使い方によって蝕んでいくということだろうか。


「もう、面倒だ」


 俺ははぁと息を吐くと、5本の魔剣をそのままロキアスの身体に突き刺す。

 勿論急所は外してあるが、その代り血は吸われ続ける。


「……チェックメイト」


 まだ抵抗をやめようとしないロキアスを殴って気絶させ、強引なチェックメイト。

 ……こんな終わり方でよかったのかは疑問だが、とりあえず、俺の目標は果たされそうだな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ