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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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いつもの約束

作者: 遥(はるか)奏汰(かなた)
掲載日:2026/08/09

日常の些細な約束が、予想外の真相へと繋がる後味の残るミステリーです。息子の小さな「破約」から暴かれる、庭に秘められた恐ろしい秘密をお楽しみください

 うちのママは怖い。パパよりもずっと怖い。

 僕が一度決めた約束を破ると、パパは軽く僕の頭を小突こづく。でもママは同じことをしても、まず手よりも足が出る。回し蹴りだったり、かかと落としだったり、トゥキックだったり、兎に角怖いのだ。だからどちらかというとママの前では約束は破れない。

 今回も僕は、自分がトマトの約束を破ってしまったのを自覚していた。その約束とは……?

 まずその約束とは、「熟したトマトだけを収穫する」という簡単なものだった。

 我が家の庭で育つトマトは、なぜか青いうちに採ると酸味が強すぎて食べられない。だから僕は、真っ赤に染まったものだけを選ぶと誓っていたのだ。しかし今日、僕は待ちきれずに青いトマトを一つ摘み取ってしまった。

 ママの踵落としを覚悟して自首した僕に、ママはフッと冷たく笑った。

「そう。約束を破ったのね」

 次の瞬間、駆け込んできた警察官によって、ママに手錠がかけられた。

 警察官は僕に告げた。

「ボク、お手柄だよ。この庭からは失踪した元住民の遺体が掘り出された。犯人は土の栄養バランスを偽装するため、遺体の上にだけ特殊な高糖度トマトを植えて熟すのを待っていたんだ」

 ママが僕に熟すまで待てと言ったのは、証拠隠滅のタイマーだったのだ。青いトマトを採ったことで、土の異常が明るみに出て事件は解決した。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

日常の些細なルール違反から思わぬ真相が暴かれる、少しビターなミステリーをお届けしました。「ママの足技」というコミカルな要素と、庭に隠された恐ろしい秘密のギャップを楽しんでいただけたら嬉しいです。

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