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ご都合主義について物申す。〜敏腕編集長は異世界出張(リテイク)で忙しい〜  作者: かるびの飼い主
第8章:ストレスフリーな世界? 思考停止なだけだから嫌いだ。

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第37話:『預金残高100億円? インフレを誘発する気か。税務調査を入れるぞ。』

仕事を終え、健太のオフィス(アパートの一室)へ。

そこでソラが見たのは、あまりにも杜撰な経理管理でした。

「いやー、最近儲かっちゃって。税金とかよく分かんないんですよね」


 健太が照れながら見せてくれた通帳。

 俺はそれを見て、泡を吹きそうになった。

 残高、百二十億円。

 個人口座に。普通預金で。


「……バカ者ォォォッ!!」


 俺の怒号が六畳一間に響き渡る。


「なんだこの金は! プールしすぎだ! ペイオフ(預金保護)の上限を知らんのか! 銀行が破綻したらどうする!」

「えっ、あ、はい」

「それに税務処理だ! これだけの売上、個人事業主で申告する気か? 累進課税で半分以上持っていかれるぞ! ていうか、昨年の確定申告はしたのか!?」

「あー、まだ……」

「脱税だ! マルサが来るぞ! 追徴課税で破産したいのか!」


 俺はネクタイを緩め、パソコンを奪い取った。


「貸せ! 俺がやる! 今すぐ法人登記だ。役員報酬の設定、経費の計上、節税対策……全部やり直しだ!」


 俺は猛烈な勢いでキーボードを叩き始めた。

 健太の「生活魔法」は凄いが、社会常識が欠如している。

 このままでは、彼は魔法ではなく法律によって社会的に抹殺される。


「ヤマダさん(ソラ)、凄い……! 数字がどんどん綺麗に!」

「うるさい! お茶を淹れろ! ……くそっ、なんで俺が異世界ここに来てまで経理処理を……」


 文句を言いながらも、俺の手は止まらない。

 完璧な決算書。美しい貸借対照表。

 数時間後、俺は健太の資産を完全な「ホワイト資産」へと洗浄クリーンしてやった。


「これで国税局も文句は言えん。……いいか健太。力を持つということは、責任を持つということだ。帳簿の汚れは魔法じゃ消せんのだぞ」

「はい! ありがとうございます、CFO(最高財務責任者)!」


 俺は深いため息をついた。

 まったく、危なっかしくて見ていられない。

魔法使いでも脱税は犯罪。

ソラの「経理魔法(実務)」が、健太を社会的死から救いました。


次回、健太を取り巻く女性関係にメスを入れます。

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