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ご都合主義について物申す。〜敏腕編集長は異世界出張(リテイク)で忙しい〜  作者: かるびの飼い主
第8章:ストレスフリーな世界? 思考停止なだけだから嫌いだ。

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第36話:『最強の特殊清掃員。……そのゴミ、マニフェスト(管理票)はあるか?』

最終章の舞台は、まさかの「現代日本パラレルワールド」。

主人公は、特殊清掃業を営む元社畜・佐藤健太。

彼のチート能力「生活魔法」による業務遂行を見たソラは、卒倒しそうになります。

目覚めると、俺は埃っぽい作業服を着ていた。

 場所は、現代日本の工事現場……いや、産業廃棄物の集積所だ。

 目の前には、山のように積まれた瓦礫、鉄くず、汚染土壌。


「……また現代か。だが、空気が軽いな」


 俺が周囲を見回していると、胸元に「派遣:ヤマダ」と書かれた名札がついていることに気づいた。

 なるほど、今回の役割ロールは派遣作業員か。

 そこへ、一人の青年が歩いてきた。

 **佐藤健太さとう・けんた**。28歳。

 人の良さそうな笑顔を浮かべた、どこにでもいる青年だ。


「あ、お疲れ様です。今日来てくれた派遣さんですね?」


 健太は俺の名札をチラリと見て、親しげに声をかけてきた。


「ヤマダさん……でいいのかな? 現場監督の佐藤です。じゃあ、これ片付けちゃいますね」

「片付ける? 重機もなしにか?」


 俺が問うと、彼は軍手をはめた手を瓦礫の山に向けた。


「【クリーン】」


 シュンッ。

 音がした瞬間、数百トンはあるはずの廃棄物の山が、消失した。

 跡形もなく。塵一つ残さず。ただの更地が広がっている。


「……はい?」


 俺の眼鏡がずり落ちた。


「はい、終わりです。これで依頼完了ですね!」


 爽やかに汗を拭う健太。

 俺は震える手で彼の方を掴んだ。


「ま、待てェェェ!! 消えた!? 今、物質が消滅したのか!?」

「ええ。生活魔法なんで」

「魔法で済むか! 質量保存の法則はどうなってる! それに、その廃棄物のマニフェスト(産業廃棄物管理票)は!?」

「まにふぇすと?」

「不法投棄だろそれは! 亜空間に捨てたのか虚数空間か知らんが、環境省への届け出はしてるのか! 最終処分場の許可は! これじゃトレーサビリティ(追跡可能性)がゼロだぞ!」


 俺は激昂した。

 こんな処理がまかり通れば、廃棄物処理法が根底から覆る。

 だが、健太はキョトンとしている。


「えー、でも綺麗になったし、依頼主も喜んでますよ?」

「結果良ければ全て良しなわけがあるか! コンプライアンス(法令遵守)の概念がないのか君の世界は!」


 俺は頭を抱えた。

 この世界、物理法則も法律も、すべてが「ご都合主義」でねじ曲がっている。

お読みいただきありがとうございます!


一瞬でゴミを消す。

社畜にとっては夢のような能力ですが、編集長にとっては「違法の塊」にしか見えません。

初対面の挨拶もそこそこに、いきなり説教モード全開です。


次回、健太の通帳を見たソラが、さらに激怒します。

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