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ご都合主義について物申す。〜敏腕編集長は異世界出張(リテイク)で忙しい〜  作者: かるびの飼い主
第7章:ラスボスとの対話が足りない。戦争はコスパが悪すぎる。

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第32話:『勇者よ、魔王を倒した後の経済損失を計算したか?』

決戦の場にパジャマ男が乱入。

ソラはホワイトボード(魔法生成)を取り出し、勇者と魔王に「戦争の不経済さ」をプレゼンし始めます。

「どけ、パジャマ男! 俺は魔王を倒して世界を平和にするんだ!」


 勇者が聖剣を構える。

 俺はあくびを噛み殺しながら、ホワイトボードにマーカーを走らせた。


「平和、結構だ。だが勇者よ。魔王を倒した後、この魔王領の経済圏はどうなる?」

「は? そんなの知らねえよ。滅びるんだろ?」

「滅びる? バカを言え」


 俺は地図を描いた。


「魔族の人口はおよそ五百万人。魔王という統率者を失えば、彼らは難民化し、周辺諸国に流れる。食料危機、治安悪化、そして新たなテロの発生。……その復興支援コスト、誰が払うんだ? お前の国にか払えるのか?」


「うっ……それは……」


「一方、魔王」


 俺は玉座の魔王に向き直った。


「貴様の世界征服計画も杜撰だ。人間を滅ぼして、誰が農作物を作る? 魔界の土壌じゃ芋ひとつ育たないだろう。人間を生かして搾取するにしても、反乱分子の鎮圧コストで赤字だ。損益分岐点を計算したのか?」


「ぐぬぬ……確かに、最近は軍事費が圧迫して……」


 魔王が頭を抱える。

 図星らしい。どっちも勢いだけで戦争をしている。典型的な自転車操業だ。


「いいか。戦争はコスパが悪い。一番儲かるのは『経済支配』だ」


 俺はボードに大きく『株式会社 世界』と書いた。


「魔王軍の軍事力(武力)と、人間界の生産力(食料)。これを争わせるのではなく、融合させる。……貿易だ」

「「貿易……?」」

「そうだ。魔王は希少金属レアメタルを人間に輸出し、人間は食料を魔族に輸出する。関税撤廃。相互不可侵条約。……これだけで、双方が今の倍以上の利益を得られる」


 俺は二人の顔を交互に見た。


「殺し合ってジリ貧になるか、手を組んでボロ儲けするか。……経営者として賢明な判断をしろ」

戦争を「コスト」で切る。

ファンタジーのロマンはありませんが、説得力は抜群です。


次回、魔王と勇者が手を組み、最強の企業が誕生します。

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