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ご都合主義について物申す。〜敏腕編集長は異世界出張(リテイク)で忙しい〜  作者: かるびの飼い主
第4章:数値(ログ)も見ずにリストラするのは、経営者として無能だから嫌いだ。

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第19話:『勘違いするな。俺はただの外部監査役だ。』

勇者は反省し、パーティは再生しました。

しかし、ソラが示した圧倒的な「結果」は、彼らに強烈な誤解を植え付けてしまいました。

「あの……ソラ様」


 ミモリが、頬を赤らめて俺に歩み寄ってきた。

 勇者の謝罪を受け入れたはずの彼女だが、その視線は俺に釘付けだ。


「私、初めてです。私の魔法の価値を、あんなに正確に、あんなに高く評価してくださった方は……!」

「いや、俺は事実を述べただけだ」

「いいえ! 貴方様こそが、私の魔法を使いこなせる唯一のマスターです! 私、決めました!」


 彼女は俺のとドライバーを握りしめ、恍惚とした表情で叫んだ。


「勇者パーティなんて辞めます! これからは一生、ソラ様の専属バッファーとしてお供します! お洗濯でもお料理でも、夜のバフでも何でもしますからぁ!」


 ……は?

 俺は引きつった笑みを浮かべた。

 夜のバフとは何だ。コンプラ的にアウトな発言はやめろ。


「待てミモリ。それは契約違反だ。彼らは反省しているし、再契約を……」

「師匠おおおおおッ!!」


 今度は、回復したブレイドが俺の足にすがりついてきた。


「なんだ師匠とは!」

「今のスイング! あれこそ『剣の極意』ですよね!? 脱力からのインパクト、そして残心……! 俺の剣にはそれが足りなかったんです!」


 ブレイドが目を輝かせている。


「俺も辞めます! 勇者なんて肩書きより、師匠の下で修行したいっす! その『ドライバー剣術』を教えてください!」

「これは剣術じゃない! ゴルフだ! ただの娯楽だ!」


 俺の否定も虚しく、他のメンバーまで集まってきた。

 

「俺たちも『ソラ一家』に入れてください!」

「あのオーガを一撃なんて、どこの国の将軍ですか!?」


 ダメだ。

 俺が示した「論理」が、彼らの脳内で「最強のカリスマ」へと変換されている。

 データを見ろと言ったのに、結局こいつらは「強い奴についていく」という本能で動いているだけじゃないか!


(……これだからファンタジー脳は!)


 俺は頭を抱えた。

 パーティを再生させるつもりが、俺を頂点とした新興宗教クランができかかっている。

 このままでは、ギルドマスターにされ、一生ダンジョンでゴルフをする羽目になる。


「……逃げるぞ、エディット! 回収しろ!」


 俺は天に向かって叫んだ。

 その時、救いの光が降り注いだ。

 ナイスタイミングだ。

支援職はストーカー化し、勇者は弟子入り志願。

ソラを崇める「最強クラン」が結成される寸前です。

さあ、逃げましょう。定時退社の時間です。


次回、ゴルフ場へ帰還。

しかし、スイングに異変が?

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